「部下の責任」での
幕引き許されない(4月13日付)
森友学園問題について、安倍昭恵氏の関与の疑いがいよいよ深まっています。しかし政府は、首相夫人付職員が「夫人とは関係ない職務外の行為」「職員個人の行為」として行ったと答弁。職員に責任を押しつける姿勢が際立っています。
仮に政府の説明が正しいとしても、以下の3つの疑問が浮き上がってきます。
なぜ個人に回答?
政府の説明の矛盾の一つは、籠池氏からの要望に「個人的に」夫人付職員(課長補佐級)が財務省本省に問い合わせたという点です。全経済産業労働組合副委員長の飯塚氏は、「課長補佐級職員が他省庁に問い合わせても、相手にされない」と指摘。財務省が照会に応じたのは、①マル政(政治家案件)と認識されていた、②付職員が上司に伺いをたてて指示を受けた等のケースと考えられます。
しかも付職員は、来年度の予算措置まで籠池氏に回答しています。通常国会に予算案が提案される前に「個人的に」回答することなどあり得ません。
なぜ文書を個人保管?
二つ目は、籠池氏への回答FAXを付職員が「個人で保管していた」との政府説明です。
同氏はすでに付職員を退任し、経産省に戻っています。省庁のパソコンは情報セキュリティのため外部記憶媒体が接続できないのが大原則。大量のデータ持ち出しは困難です。飯塚氏は「15年当時は今回の事態は予測できなかったはず。FAXデータだけ持ち出すことは考えにくい」と指摘。組織的に保管していたと考えられます。
個人判断で出張?
三つ目は、昭恵氏の塚本幼稚園での講演に同行した付職員らがその出張を「自らの判断」で決めていたとし、「旅行命令の発令手続きは行われなかった」とする答弁書を閣議決定した点です。飯塚氏は「あり得ない」と指摘。懲戒処分となりかねないレベルです。
説明責任果たせ
政府説明は、このように荒唐無稽であるうえ、一職員に懲戒処分となりうるレベルの責任を押し付けています。
私たちが日々困難な業務に対して責任を果たせるのは、「何か問題があれば組織的に対応してもらえる」との信頼があるからです。
安倍内閣の姿勢は、部下に責任を押し付け、自らは全く無関係とする、恐るべきモラルハザードぶりと言わざるを得ません。
「安倍首相は、国民の疑問に対して説明責任を果たせ」の世論と運動を広げましょう。