大阪市をよくする会が声明(4月12日付)
大阪市2—3月議会について、「大阪市をよくする会」(市民団体・労働団体・政党などで構成)が声明を発表しました。要旨を紹介します。
地下鉄・市バス民営化
84年の歴史を持ち、日本初にして最大の公営地下鉄の民営化が議決されました。民営化は利用者にとって何のメリットもないうえ、市バスとともに果たしてきた公共の福祉の増進という役割が損なわれます。
市営地下鉄は、単年度で374億円(2015年度)の黒字を生み出す超優良公営企業です。公営であれば、地方公営企業法18条2項に基づき、年間60億円を一般会計に納付できます。しかし、民営化すれば、得られる税金(固定資産税、法人市民税など)は年間40億円程度にとどまり、そのうえ退職金の支払い、登記費用、企業債の繰り上げ返済などの財政負担により、1500億円ある預貯金が枯渇し、運転資金が70億円となり、大きな投資が必要な安全対策やサービス向上に困難をきたすことが危惧されます。
新会社の株式は、当面は大阪市が保有しますが、株式売却は過半数の議決で可能であり、将来的に大阪市の関与が担保されません。この暴挙に断固抗議するものです。
カジノIR
万博を隠れ蓑にしてカジノを導入するための「IR推進局」が設置されたことも看過できません。言うまでもなくカジノは賭博であり、刑法185条に違反する犯罪です。
カジノ導入により、暴力団、ギャンブル依存症、マネーロンダリング、治安悪化、多重債務問題の再燃、青少年への悪影響などが懸念され、まさに百害あって一利なし。博打で経済発展はありえません。断念まで全力でとりくみます。
民意を踏みにじる「都構想再挑戦」
(1)「法定協議会」の設置について
公明・維新による法定協議会設置議案の継続審議提案が可決され、5月議会に継続となりました。一昨年5月行われた住民投票の重みを考えるならば、本来提案されるべきものでないことは明らかです。法定協設置の否決をめざし、世論を高めます。
(2)住吉市民病院
橋下前市長が、周産期や小児医療に重要な役割を果たしてきた住吉市民病院(住之江区)を「二重行政」などと乱暴に決めつけ、廃止をいったん決めたものの、その後の経緯は、この廃止が誤りであることがますます明らかになりました。受け皿である南港病院の設計上のミスで新病院の開院が当初よりも2年延期せざるを得なくなりました。その設計・改修のために2017年度予算に7000万円が計上されていましたが、維新以外の会派がこの削除を求め、削除が可決されたことは当然のことです。
知事の諮問機関である大阪市南部医療圏審議会も必要な医師が確保できていないことを指摘しています。
この状況では、住吉市民病院跡地に南港病院が開院することは極めて困難です。公立として現地建て替えを行うことが唯一の解決策です。市民のみなさんと一緒に実現しましょう。
大阪市をよくする会は、この議会での論戦などを踏まえ、維新政治にピリオドを打つべく、引き続き奮闘します。