9月13日付
先月、人事院勧告が行われたことに続き、政令指定都市においても人事委員会勧告が始まりました。また、今回「地域手当」が大幅に変更されたことに伴い、その取扱いが注目されます。
政令市は先行して福岡、名古屋、神戸各市で市人委勧告がありました。月例給、特別給(ボーナス)、今年度重点的に組み込まれた「給与制度のアップデート」についてそれぞれ記載します。
●国・人事院勧告
◎月例給△11,183円
◎特別給(ボーナス)△0・10月。今年度は冬に△0・10月。令和7年度以降は夏冬各々△0・05月。
◎アップデート 地域手当を各都道府県において原則県内一律化(中心都市を除く)。段階的に配偶者に係る扶養手当の廃止及び子に係る手当額を引上げ
●福岡市
◎月例給△10,400円を民間との較差を踏まえ、初任給を始め若年層等に重点を置き幅広い世代で引上げ改定
◎特別給△0・10月。(国に同じ)
◎アップデート 国の具体的な制度改正の内容、他の地方公共団体
の動向等を踏まえ、実施に向けた検討を早期に行っていく
●名古屋市
◎月例給△10,941円を若年層に重点を置きつつ、全ての職員を対象として給料表の引上げ。特に、初任給については、人材確保の観点から、市内民間事業所並びに国及び他の地方公共団体の水準を考慮して引上げ
◎特別給△0・10月。(国に同じ)
◎アップデート 国における制度の見直しを考慮して、段階的に配偶者に係る扶養手当の廃止及び子に係る手当額を引上げ。地域手当は報告に留める
●神戸市
◎月例給△11,015円を初任給をはじめ若年層に重点を置きつつ、給料表全体の引上げ改定を行う必要がある。あわせて、係長級への段階的な処遇改善にも引き続き取り組む必要
◎特別給△0・10月。(国に同じ)
◎アップデート 地域手当や扶養手当の見直
し等を最重要課題の一つである人材確保の観点から、人事給与制度の見直しに取り組んでいる本市の実態などを鑑み、対応を検討していく必要(報告)
= = = = =
各政令市とも月例給については国よりやや小幅ではあるものの、概ね同様の引上げ。若年層や初任給に重点を置く点も同様です。
特別給については3市とも国と同じ。
アップデートについては国通りの勧告(=改定を想定)と報告(=今回での改定見送り、各市独自の取扱い)に分かれました。
今回、政令市人勧とともに大きな注目点となったのが地域手当です。地域手当は地方を基準(=加算なし)として各地域の物価などに鑑みて加算される制度で東京特別区の20%を筆頭に従来は詳細に区分されていましたが、原則中心都市を除いて都道府県では一律となりました。現在、大阪府下では大阪市が16%、吹田市や高石市などが12%、堺市が10%、大阪市から離れれば6%が多い状況。今年の国人勧では大阪市と吹田市が16%、堺市を含む他市町村が12%と大半で引上げとなります。総務省でも検討中で、早ければ来年4月に反映されるとのことですが、財政面などを含めた綱引きも予想されます。