(5月9日付)
安倍内閣がねらう憲法96条の改定に、憲法改正論者からも「96条改憲は憲法破壊」と強い批判が出ており、世論調査でも「96条改憲反対」が増えて、多数を占めています。
憲法は権力者たちを縛るもの
憲法改正の国会発議を各議員の「3分の2」以上の賛成から「過半数」にしようという96条改正は、憲法を一般の法律のようにしてしまうものです。
憲法は権力者たちを縛るもので、変えるには、法律よりも厳格な手続きが必要だからこそ、憲法です。その時々の政治の多数派によってクルクル変えさせてはならない。一般の法律以上に改正ハードルが高いのは当たり前のことです(4月26日付ブログ参照)。
なぜ今、96条改憲か
日本国憲法は基本的人権を守るために、国家権力の組織を定めていますが、たとえ民主的に選ばれた国家権力であっても権力が乱用されるおそれがあるので、その乱用を防止するために国家権力、あるいは権力を握っている者に対して縛りをかけているのが立憲主義です。
今の憲法は、戦争という歴史に対する反省からできあがったものです。その反省に立ち、立憲主義を柱とし、戦争を放棄した日本国憲法ができました。憲法96条改憲の狙いは、戦争できる国にするため、国民が望んでいない憲法9条の改憲です。
マスコミの世論調査
96条改定について、マスコミの世論調査を見てみると、「共同」(4月22日発表)は、『反対』46・3%、『賛成』42・7%。「フジ・産経」(4月23日付)は、『反対』44・7%、『賛成』42・1%。「朝日」(5月2日付)は『反対』54%、『賛成』38%。「毎日」(5月3日付)は『反対』46%、『賛成』42%と、反対が賛成を上回っています。とくに「共同」は前回調査から賛否が逆転しました。
「NHK」(5月2日放送)でも『反対』24%、『賛成』26%と拮抗しているなど、国民が決して安倍内閣の改憲の動きを支持していないのは明らかです。
9条改定の本音を隠して、時の政権がより改憲しやすいよう96条改憲を先行させようとする安倍政権の策動に対して、立場の違いを超えて批判と反対の声が出ています。国民が権力者を縛る唯一の仕組みを守るために、「96条改憲反対」の声をより大きくしていきましょう。