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イノベーション中年⑩ 炊事 × 中年

9月8日付

 「育児を始めたばかりのママというのは、仕事での長時間労働や高プレッシャーなど『追い込まれた』状態だと思ってください」「ママの育児環境は『過重労働』そのものです。少なくともこれらをどれだけ環境改善できるかはパパの腕の見せ所です」「家事の担当は『プロジェクト型』としてひとつ丸ごと全権委任する」(「ふたりは同時に親になる」狩野さやか著 猿江商會)。


 現在、二子は2か月を過ぎ、笑顔や涙が出るようになってきました。
 さて、育児休業を申請しようと考えていた頃、どのような心構えで臨むのか、具体的に何をしたものかイメージが湧いていませんでした。ちょうどその頃、妻から上記の本を勧められました。
 確かにお母さんが、出産直後から、授乳や抱っこなどの育児や家事に追われる状況は過酷ですし、産後うつも問題になっています。同僚として、過重労働のフォローに入ることは大事やなと思いました。
 一体何をやればいいのかと思っていましたが、仕事と思うと少し気が楽になり、これまで妻にお願いしっぱなしだった炊事や買出しを担うことにしました。そう考えると家事は、コツコツと積み上げる分野が多く、自分が従事してきた維持管理と似た部分が多いなと感じました。


 炊事をやるにあたっては、どこかで読んだ「料理はセンスじゃなくて科学」という言葉を頼りに、「とにかくレシピをメモに書いてその分量通りに調理する」ことにしました。また、土井善晴さんが提唱する「一汁一菜」を頼りに、そんなに欲張らずに気楽に具だくさんみそ汁を作ろうと決めたのでした。いざ料理にかかってみると、なかなか理想通りにはいかず、一子からの「肉じゃがのにんじん固い、じゃがいも小さい。そして味が薄い」「卵焼きの白身と黄身が分離していた」「弁当にゆでブロッコリーがあったが味がなかった」「チヂミのにんじんは千切りで頼む」など貴重なご意見にハッとさせられる日々が続くのでした。