堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

大阪関西万博・統合型リゾート 建設費用・労働者とも問題大きく「中止」求める声があがる

9月8日付

 2025年の大阪・関西万博を巡り、参加国のパビリオン建設の遅れや会場建設費の大幅な上振れが問題視され、跡地に建設が予定される統合型リゾート(カジノなど)計画を含め、中止を求める声があがっています。

 

 カジノに反対する大阪連絡会は8月28日、「大阪・関西万博は中止せよ」の事務局長談話を発表しました。
夢洲での万博開催計画は、カジノ誘致のつゆ払いとして維新・松井氏のトップダウンで推進、会場が夢洲だからこそ、パビリオン建設工事の遅れや入場者輸送計画に影を落としています。万博・カジノ計画は破たんしたバブル期の巨大開発の再現であり中止すべきです。


突貫工事が労働者の命健康を脅かす

 談話では、「『いのち輝く未来社会のデザイン』がテーマの大阪・関西万博は、2025年4月の開催まで、あと1年8カ月と迫るなか、万博のメインである50カ国余りの国々が独自に建設するパビリオンが大幅に遅れ、工事着工前に必要な大阪市への『基本計画書』の提出が韓国とチェコの2か国のみという状態で、建設業界から『
間に合うかわからない』と指摘されるなど開催が危ぶまれる事態に陥っています。

 

 こうした中、政府や万博協会は『パビリオンのデザインを簡素化』『建設会社への発注の代行』『代金を補填する万博貿易保険の適応』などと躍起になっています。
 また、万博協会が『2024年からの建設労働者の残業規制の除外』を要請し、万博の基本理念を踏みにじる動きには、東京オリンピックの工事でゼネコン関係者が過労死する悲劇があったなか、大阪労連や大阪府職労をはじめとする労働組合や法律家団体からの強い抗議とともに、日本建設業連合会のM会長(清水建設会長)からも批判の声があがってい」ることなど警鐘を鳴らしています。

 

上振れを続ける統合型リゾート

当初万博の予定地ではなかった夢洲を、松井一郎大阪府知事(当時)がトップダウンで予定地として決定し、府議会・大阪市議会も一体となってカジノ誘致と共に推進してきました。
 5日、吉村府知事は統合型リゾート=IRについて、開業予定を1年延期し、2030年秋頃になることを発表。「伸びたといっても1年。国の認定も1年かかったので手続きからすると適切な時期だと思う」と延期についての妥当性の主張と矮小化を図っています。しかし同時に発表された初期投資額についても整備計画段階ではおよそ1兆800億円としていましたが、建設資材費の高騰などを反映し、およそ1兆2700億円に修正。堺市一般会計の約3年分近くにまで膨れ上がった他、借地権設定に関する契約書案で大規模な地盤沈下が起きた場合、市が対策費を負担する、という内容も明かされました。
 もはや「プレハブパビリオン」も冗談ではなくなってきました。地下鉄の延伸を始めとするインフラ整備も回収の展望は極めて不透明です。東京五輪でも見られた「建設費の暴騰」が繰り返され、建設労働者の安全性も不安視される中、「中止を決断すべきではないか」の声が強まっていくことは必至です。