堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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さかい未来づくりサロン和歌山視察③

1月25日付

M・Tさん

「さかい未来づくりサロン」と並行して開始した「まちづくり視察」も5年目。今年は11月30日~12月1日の1泊2日で(私は諸事情により日帰りでしたが)、和歌山県和歌山市へ。現地でのプログラムやアテンドは和歌山市とリノベーションわかやまの皆さんにご協力いただきました。

 1日目、和歌山市役所を訪問。政策調整課と都市再生課の方々にご対応いただきました。「政策調整課がまちづくりを担当しているのは何故?」と素朴な疑問が浮かび、尋ねてみると「まちづくりは様々な側面でニーズがある」ということと、和歌山市トップダウンの課題に対応するために2015年度に新設され、市の重要事項の総合調整に関することやシティプロモーションの総合調整に関することを担う、「所謂何でも屋です(笑)」とのことでした。

まずは「和歌山市のリノベーションまちづくり」についてと「和歌山市における水辺とまちのリノベーション」についてレクチャーいただきました。和歌山市は県人口の約40%となる約360000人が暮らしており、中心市街地は住友金属工業花王企業城下町といった態です(民間企業の方も和歌山市職員も市内在住者が多く、移動も通勤も車がほとんどで公共交通機関はあまり利用しないそう)。空洞化した中心市街地の中で遊休ストックを利活用しようと始まった、リノベーションまちづくりは民間主導の公民連携を基本とし、家守会社と呼ばれる民間自立型のまちづくり会社がリノベーションを通じて、雇用の創出やコミュニティの活性化などを図っていくものです(郊外については開発規制を強化してコンパクトシティ化)。リノベーションまちづくりを進めていくために短期集中合宿「リノベーションスクール」を2014年から開催し、年齢もキャリアも様々な参加者がこれまで約200名集まり、そこから家守会社5社、提案事業化7件、その他物件で受講生が携わり事業化されたもの10件と、中心市街地に活気を呼んでいます(インバウンド客の利用も多いそう)。また、事業化店舗が1軒オープンすると周辺に店舗がオープンしていく波及効果も見られるとのことです(路線価が下がった)。更にリノベーションまちづくりの指針を策定するためにオープンイノベーションスタイルで「わかやまリノベーションまちづくり構想検討委員会」を開催。異なるテーマとゲストスピーカーを呼び、毎回100名近くの比較的若年層が集まって議論し、2017年に策定しました。ぶらくり丁商店街のアーケード内で開催した際は周辺に人集りができ、そこから飛び交ったアイデアも取り入れたとのことで、和歌山市マスタープランからは異質な、ある種「夢のような」、それでいてトピック毎に具体的対象があるものとなりました。リノベーションスクールが契機となり、商店街や道路、河川を利活用した様々なイベントも開催されました。「ぶらくり丁アーケード通りリビング化構想」では無機質な商店街に「音、緑、風」などの有機的な見立てと新たな使いこなしを施した結果、7000名想定のイベントに14000名が集まったとのことです。

レクチャーの後はリノベーションまちづくりの現場のフィールドワーク。個人的には元寺町ストリートのアンタッチャブルな多国籍感、政策調整課の方の「市職員はまちのコンシェルジュでなければならない」という言葉が印象的でした。和歌山市職員でアンケートをとって作成した「WAKAYAMAマチ遊ビ魅力MAP」はおもしろいなと。堺市職労職員支部でもアンケートをとって作成したいなと思いました。