連続引上げ勧告も低額 交渉で改善求めよう!(10月5日付)
10月4日、2018年の堺市職員の給与等に関する報告及び勧告が出されました。堺市職労の見解を掲載します。
勧告の概要
①月例給について、職員給与が民間給与を615円(0.16%)下回っていることから、この較差を解消するため給料表を引上げ改定、②一時金(特別給)について、職員の年間支給月数(4.40月分)が民間の支給割合(4.46月分)を下回っているため0.05月分引上げ改定、③医師・歯科医師に対する初任給調整手当の改定を勧告しました。
実施時期は、月例給と初任給調整手当が本年4月に遡って改定、一時金は平成30年12月からとしています。
給料表の改定については、▼初任給及び若年層の給料月額を重点的に引上げることが適当、としました。また、一時金については、引上げ分は勤勉手当に配分とされ、来年度以降、6月期と12月期の支給月数を均等(期末手当1・30月、勤勉手当0・925月)にするとしています。
人事評価制度については、「国や他の地方公共団体の事例も参考にしながら必要な見直しを行うなど、客観的で公正性、透明性が高く、実効性のある制度とすることが望まれる」、高齢期における職員の雇用問題については、「定年の引上げについての国の検討内容を注視しながら本市における課題等について議論を進めていく必要がある」としています。
また、長時間労働の是正については、「『働き方改革プラン』の目標を達成するために業務の持ち帰りやサービス残業を行うことは、決してあってはならない」としています。
臨時・非常勤職員の任用等については、「制度開始後における臨時・非常勤職員の任用根拠の明確化と適正化を図るとともに、地方公務員法に定める職務給の原則に基づき、従事させる職務内容や職責に応じた勤務条件が整えられるよう、着実に準備を進める必要がある」としています。
生活改善には不十分
今年の勧告では、月例給で2年連続、一時金で5年連続の引上げとなりましたが、引上げ率は0・16%と、国などと同じく低調にとどまりました。勧告どおりに給与改定等が実施された場合の平均給与は年間29,000円の引上げとはなりますが、この間の給与制度の総合的見直しと今年度末での現給保障の廃止、扶養手当、退職手当の見直しなど、職員の生活改善、地域経済活性化には結びつかない不十分な内容と言わざるを得ません。
また、長時間労働の是正について、「業務の持ち帰りやサービス残業を行うことは、決してあってはならない」としたものの、長時間労働の一番の原因である人員不足の問題については「職員の健康確保や人員配置が推進されるためにも、時間外勤務が適正に行われているかなど、労働時間の適正管理が求められる」と述べるにとどまっており、労働基準監督機関としての人事委員会の一層の機能強化が求められます。
当局に改善を迫ろう
8月の人事院勧告後、私たちは堺市及び関連職場で働く職員全体の生活改善につながる勧告を求め、人事委員会あて職場連名要請書に取り組み、1065筆を集約して多くの組合員・職員の切実な要求・実態を届けてきました。
今回の勧告は、住民の安全・安心をはじめとする公務・公共サービスを維持し、公務の公平性、公正性、安定性、継続性、専門性を確保するという私たちの要求からすると不十分です。
人事委員会が労働基本権制約の代償措置としての役割を果たすことを引き続き求めるとともに、堺市当局に対しても、この間の経過を踏まえ、堺市に働く全職員の生活改善、住民のいのちと暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。