堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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堺市人事委員会勧告(10月18日)

2年ぶりのベア、4年連続一時金引上げも

実感できるか?低額勧告(10月19日付)

堺市人事委員会は、10月18日、職員の給与等に関する報告及び勧告を行いました。執行部は以下の見解を発表しました

 勧告・報告の概要 月例給、一時金ともに引上げ

 ①月例給について、職員給与が民間給与を562円(0・14%)下回っており、較差解消のため、引上げ改定、②一時金(特別給)は、職員の年間支給月数(4・30月分)が民間の支給割合(4・41月分)を下回っているため、0・1月分引上げ改定(勤勉手当に配分)、③医師及び歯科医師に対する初任給調整手当の改定を勧告しました。

 実施時期は、月例給が本年4月に遡って改定、一時金は平成29年12月からとしています。

 給料表の改定については、▼経験年数が10年から20年程度の職員が多く在職する3級及び4級の低位から中位の号給並びに5級の低位の号給を重点的に引き上げることが適当、▼1級及び2級における、経験年数3年未満の職員が多く在職する号給付近は据え置くことが適当、としました。

 その他、人事評価制度について、「国や他の地方公共団体等の事例も参考にしながら、昇給区分の決定など、人事評価の更なる活用の検討を進められたい」としました。

 また、長時間労働の是正について、「『堺市職員「働き方改革」プラン(“SWITCH”)』を持続的に推進し、実効性ある取組とするためにも、職員及び各所属長に対する意識の啓発を継続的に実施されたい」としました。

 さらに、会計年度任用職員制度について「平成32年4月に向け、会計年度任用職員制度の導入に向けた準備を進める必要がある」と触れています。

2年振りの引上げも低額勧告、人事評価の活用拡大に抗議

 今年の勧告は、月例給が2年振り、一時金は4年連続の引上げです。これは、「すべての労働者の賃上げで景気回復を」と、粘り強く取り組んできた運動の反映です。一方で、勧告どおりに給与改定が実施された場合の平均年間給与は、0・76%の引上げで、低水準の改定と言わざるを得ません。堺市では、給与制度の総合的見直し(給料表の平均1・5%、最大3%の引下げ)や55歳の昇給停止等が実施され、全国的に実質賃金の低下と個人消費が低迷するもとで、賃上げを実感するというには不十分な内容です。

 人事評価制度については、「任命権者は、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとする」(地方公務員法第23条第2項)と定められていることや、他都市での活用状況をもとに、昇給区分の決定など、人事評価の更なる活用の検討を求めました。しかし、平成25年度からの本格実施を通じて、「同一基準での評価」「客観的で公平な評価」になっているのかという評価の信頼性に対する疑問や、制度の目的である「人材育成」「組織力向上」につながっているのかという意見があります。また、短期の評価結果を、退職まで影響する昇給区分の決定に活用することも課題であり、活用範囲を拡大することは到底認められるものではありません。

当局に改善を求めよう

 人事院が4年連続のプラス勧告を行ったもと、私たちは、住民の安全・安心をはじめとする公務サービスを維持し、公務の公平性、中立性、安定性、継続性、専門性を確保するため、非正規職員も含め、堺市及び関連職場で働く職員全体の底上げと生活改善につながる勧告を求めて、人事委員会への職場連名要請書に取り組みました。合計で1280筆を積み上げ、多くの組合員・職員の切実な実態を届けてきましたが、今回の勧告は、私たちの要求に見合うものではないと言わざるを得ません。

 堺市職労は、人事委員会が労働基本権制約の代償措置としての役割を果たすことを引き続き求めるとともに、堺市当局に対しても、この間の経過を踏まえ、堺市に働くすべての職員の生活改善、住民の命と暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。

2017年10月18日

堺市職員労働組合