4月11日付
3月28日、堺市議会本会議において、大阪維新の会堺市議会議員団が提案していた「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例案」が、維新の会と小林議員(元維新の会・3月30日に辞職)のみ賛成、公明党、自民党、ソレイユ堺、共産党、非所属クラブの反対多数で否決されました。
同条例案は、2013年5月定例会に大阪維新の会が議員提案して以来、継続審査、市長再議、継続審査、廃案、再提案、市長再議により否決・廃案、再々提案、継続審査を繰り返してきました。
この間の市議会の議論で、同条例は、憲法19条、21条で保障された思想良心の自由、集会・結社・表現の自由に対して地方公務員法の規制を超えて厳しい制限を課すものであり、憲法・地方公務員法に反することが明らかになっているにもかかわらず、全く同じ内容の条例案を三度も提案するという前代未聞の異常事態が続いてきました。
しかも維新の会は、提案者として立法事実を示せないことを棚に上げ、市当局に対し「立法事実不存在の証明」として、全職員の「思想調査」を要求するなど、異常な人権感覚が明らかになりました。さらに、市職労ニュースの配付を「立法事実」としてあげましたが、各議員から「立法事実ではない」「適法な行為を違法とする条例案」との指摘が相次いでいました。
堺市職労は、同条例案が提案されて以来、堺労連をはじめ地域の仲間とも連携し、その違法性について市民・職場に向けた宣伝行動や維新の会を含む議会各会派への要請を行い、自治労堺とも上部団体の違いを超えた両委員長連名アピールを発表するなど共同を広げたたたかいをすすめてきました。
民主主義を守る大きな到達
今回の否決は、2月に総務財政委員会における閉会中継続審査で参考人意見聴取での専門家からの意見も踏まえ、維新の会と元維新の会議員を除くすべての会派・議員が反対の態度を明確にされたものです。
また大阪維新の会が結成されて以降、大阪市、大阪府で同条例が制定され、職員の人権侵害が横行する中で、堺市においては維新の会が三度にわたり条例を提案したものの、
①「立法事実はない」との竹山市長の明確な姿勢より、二度にわたる再議
②維新の会の提案理由に道理がないことを明らかにしてきた各会派・議員の論戦と、専門家の見地を踏まえて判断された会派の良識
③関係労働組合のねばり強い共同のたたかい
の力で廃案となったことは、堺における基本的人権と民主主義を守った、大きな到達と考えます。
また、府下各市の維新首長のもとで、職員の人権侵害を当然視したり、政治的パフォーマンスに利用するような言動も散見する中で、政令市議会である堺市議会が同条例案に対する決着をつけた意味は大きいと考えます。
堺市職労は、引き続き、市議会各会派のみなさんとも率直な議論を行い、憲法に保障された基本的人権と民主主義が守られる堺市政の発展と自由闊達な議論ができる職場づくりに力を尽くします。