歴史・経過に大きな違いあり(9月6日付)
「堺市は、大阪市より水道料金が月約2,000円も高い」と維新の会は批判していますが、これは水道・下水道料金を合わせた比較です。
堺市の水道は、市として浄水処理事業を行っておらず、100%大阪広域水道企業団から水を買っています。水道料金(2,484円)は、大阪市より約400円高くなっていますが、大阪府内の平均(2,812円)より安く提供されています。
大阪市の水道料金が安いのは、水源である淀川が大阪市内を流れるという立地条件に恵まれ、浄水コストが安いからです。さらに、ホテルや工場などの大口使用者の料金を高く設定し、小口使用の市民向けの料金を安く設定しているからです。 堺市の下水道は、昭和37年に下水道条例が制定された以降に供用が開始されました。現在98%以上の普及率となるまで下水管の布設工事を着々とすすめてきました。その工事も昭和45年の下水道法の改正により、より工事費用がかさむ汚水と雨水を別々に流す方式が取られています。また、美原区が平成17年に合併し、以後急ピッチで工事したため、起債が大きく嵩んでいます。
堺市では労使交渉を経て、既に下水処理場の運営や管きょの維持管理に包括的民間委託が行われ、大阪市と比較して事業の効率化では大きな差はなく「大阪市の事例を参考に」との維新の会の主張に根拠はありません。
大阪市の下水道は、明治27年のコレラの大流行を契機に当時の大阪市予算の6年分(104万円)の事業費をつぎ込んだ国家的事業として開始されました。
その際、太閤下水(秀吉時代の背割り下水)も利用して進められました。20数年前にはほぼ100%に近い普及率になっていまが、この一つの要因には大阪市内の企業活動を支援するインフラ整備という側面もありました。
歴史的な大きな違いが存在しています。また、堺市では今年10月検針分から下水道使用料の基本使用料が50円引き下げられます。