堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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維新の会提案 政治活動制限条例案 規制する合理性・妥当性ある?

総務財政委員会 閉会中継続審査に(6月23日付)

6月20日、市議会の総務財政委員会で、大阪維新の会堺市議会議員団が提案した「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例案」が審議され、動議により「閉会中継続審査」となりました。

 政治活動制限条例案は、4年前に市議会に提案されたものと同一で、国家公務員法及び人事院規則を堺市職員に適用することで、本来、地方公務員法第36条では禁止されていない、政治的目的を有する演劇の演出等、幅広い政治的行為が禁止されています。

 この条例案は、提案当初から、憲法第21条で保障された基本的人権である「政治活動の自由」に対して強い規制を加えるとの疑問や批判が相次ぎ、提案者が答弁できない状況が繰り返され、憲法違反の疑義がいっこうに晴れないまま推移してきました。

 総務財政委員会では、維新の会が挙げた「立法事実」(堺市職労が政治的な内容を含む市職労ニュースを配っている)について、委員間討議が行われました。

 この点について、各委員から「それは立法事実ではない」「(ニュース配付という)適法な行為を違法とする条例」との指摘が相次ぎました。

 最高裁は、昭和50年11月28日の判決で「労働組合等の活動は職員の勤務条件の維持改善を図ることのみに限定されるものではない。社会的、文化的、政治的活動などといった広い範囲の活動も、職員の勤務条件の維持改善と密接に関連しており、截然と区別できるものではないため、これらの活動を行う権能を有する」との判断を示しています。また、国の通知でも「団体自体の意思及び行為と当該団体の構成員である職員自体の意思及び行為とは別個であり、団体としての行為には地公法36条1項および2項の規定(政治的行為の制限)は、直接触れているものではなく、同項の規定は直接には職員自体の行為を対象とするものである」(昭26・4・16地自公発第159号)としています。

 堺市職労ニュースは、最も合理的な方法として、本庁舎の出入り口で、始業前の限られた時間帯に、出勤する組合員・職員向けに配付していることを紙面に明示して、組合員・職員に適切に配付し、支障や弊害は生じていません。1962年10月22日から54年間にわたって継続的に行っているものでもあります。

 こうしたことを総合的に考慮すれば、当該条例案を制定することはもちろんのこと、現在、認められている市職労ニュースの配付を制約することには合理性を欠いていると考え、引き続きその立場で取り組みます。