堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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3月3日(金) 本庁舎 時間外に職場巡回

「労働時間の適正把握・長時間労働の削減を」

 3月3日(金)20時頃から、労働時間の適正把握と長時間労働の削減に向けて、本館・高層館の職場を巡回し、適正な自己申告などを呼びかけるチラシを配付しました。

長時間労働削減社会問題に

 既に大きく報道されたとおり、広告大手の電通で女性新入社員が過労自殺した事件を受け、長時間労働削減が、社会問題になっています。

 厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を1月20日に策定しました。

 内容としては、労働者の「実労働時間」と「自己申告した労働時間」に乖離がある場合、使用者は実態調査を行うことなどが明確化されています。

市職労として巡回運動

 堺市職員労働組合としても、健康や家庭生活、私的生活のための長時間労働削減に向けて、この春闘で「労働時間適正把握と長時間労働削減 職場巡回運動」に取り組むことにしました。

 3月3日(金)は、高層館の4フロア、本館の4フロアにお邪魔し、労働時間の適正把握の責務が使用者にあることをお知らせするとともに、自己申告制が、労働者による適正な自己申告を前提として成り立っていることを踏まえ、そのことへの協力を呼びかけました。

事実上無制限に残業可

 日本では、労働基準法で、使用者は、労働者に、休憩時間を除いて、1週40時間、かつ、1日8時間を超えて労働させてはならないことになっています。

 しかし、労働基準法36条に基づく36協定(時間外・休日労働を行わせるために必要な労使協定)を結ぶと、この時間を超えて働かせることができます。36協定で定める延長時間の限度は、大臣告示で、月45時間、年360時間ですが、特別の事情が予想される場合、特別条項付き36協定を結べば、1年間のうち半分は限度時間を超える時間を延長することができ、事実上無制限に残業させることが可能となっています。

 そのうえ、地方公務員には、一部の事業を除いて、公務のために臨時の必要があれば、時間外労働・休日労働をさせることができることになっていて、手続き上、容易に残業させることができます。

月45時間は医学的知見

 残業を月45時間までと定めた大臣告示は、医学的知見に基づくものです。

 人間が最も健康に過ごせる睡眠時間は7・5時間とされ、今の過労死認定基準のもとになった厚生労働省の「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」の報告書(2001年)は、「1日7・5時間程度の睡眠が確保できる状態を検討すると~中略~(1日)2時間程度の時間外労働を行った場合に相当し、これは1か月おおむね45時間の時間外労働が想定される」と述べています。

限度時間超 1割

 こうしたなかで、堺市の状況は、限度時間(年360時間)を超える時間外勤務実績のある職員の割合が、平成24年度から平成27年度にかけて約1割となっています。

 このことに対して、3月1日の第1回春闘交渉では、働き過ぎ防止のために、「勤務間インターバル制度の導入」や「週労働時間の上限規制」「年次有給休暇の取得促進」「業務に見合った人員の確保」「限度時間を超える割増賃金率の引上げ(高い割増率による残業の抑制)」「残業の現状の労使での共有」などを求めました。

 当局は、限度時間を超える時間外勤務を減らすべきとしつつも、管理職によるマネジメントを最優先に取り組んでいきたいとしています。

 長時間労働が恒常化している実態からすれば、管理職によるマネジメントだけでは限界があり、実効性のある対策を求めていきます。

 なお、職場巡回では、高層館の室温の計測も行い、20時時点では、事務所衛生規則の17℃を上回っていました。