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自治労連の告発踏まえ国会質問が実現

地方公務員の長時間労働是正へ「調査に基づき取り組み強化」と総務大臣が答弁(2月20日付)

 地方公務員の長時間労働の是正、過労死の根絶に向けて、高市総務大臣は2月8日、衆議院予算委員会において、「現在、地方公共団体における時間外労働の実態について調査をしっかり行っているところ」「法令の遵守について、調査の結果を受けて、地方公共団体に対して、さらに周知徹底を依頼して参りたい」と答弁しました。

 高市大臣は、厚生労働省が1月20日に発出した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」についても、総務省として「地方公共団体に対する周知を行った。さらに適正な対応を要請した」とも答弁。この答弁は、日本共産党の梅村さえ子議員が行った、地方公務員の長時間労働の是正を、滋賀県庁における時間外勤務の実態調査をふまえた質問に対して答えたものです。

 滋賀県職では県立成人病センター組合員からの「病院看護部から不払い残業を強制されている」との相談を元に団体交渉を実施しましたが、病院当局が誠実に回答しないことから、全職場での班会議で意思統一して労働基準監督署労基法違反を申告。労基署の立ち入り調査の結果、是正勧告が行われ、労働組合として記者会見を行い、NHKや地方紙が大きく取り上げました。

 その後、土木事務所の組合員から「同じようなことがうちの事務所でもあった」との情報が組合に寄せられ、人事当局に確認と説明を求め、2つの土木事務所で36協定違反の是正勧告が行われた事実が確認されました。組合ニュースを見た京都新聞中日新聞などの記者が独自に情報公開請求を行い、県人事委員会も学校職場に対して36協定違反の指導を行っている事が判明。11月24には「県はブラック企業か?」との記事が滋賀報知新聞に掲載されました。

 自治労連は、滋賀自治労連とともに、異常な長時間の実態を国会でも明らかにするために、日本共産党国会議員団の実態調査に協力し、2月2日には梅村議員本人が滋賀県庁へ赴き、職員の生の声を直接聞き取りました。

 国会質問で梅村議員は、「滋賀県庁において、一昨年、年間千時間を超える時間外勤務を行った職員が20人以上に上っている。法令に基づく業務を行う(地方自治体の)機関が、是正勧告を受けていて、どうして『働き方改革』が進むのか」「この背景には05年に国が『集中改革プラン』を地方に押し付け、約29万人の地方公務員削減を推進してきたことにある」と指摘。過労死防止法が14年に可決されたにもかかわらず、総務省地方自治体の超過勤務実態の調査を始めたのが昨年末だったことに触れ、「政府、総務省の対応は遅すぎる」と追及しました。

 質問に対して高市総務大臣は、「調査の開始が遅かったのではないかというご指摘は、確かにその通りであると私も思う。年度内に調査が取りまとまるということなので、これを受けて、さらに、地方公共団体には法令順守、そしてまた、しっかりとした対策を講じて頂くように、しっかりと助言を行う」と答弁しました。

 総務省は2月8日付けで、各都道府県総務部長、政令指定都市総務局長、各人事委員会事務局長宛てに「労働時間の適正な把握のために使用者が講じるべき措置に関するガイドラインについて(通知)」(総行第19号)を発出しました。この通知が、各職場でも周知徹底され、長時間労働の是正、不払い残業の根絶につながるように、今後、17春闘を皮切りに、予算人員闘争など職場からのたたかいをすすめていくことが重要になっています。