堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

医療の切り捨てではなく充実を 「岸和田市民病院の医療を充実させる会」結成

4月17日付

3月30日、「岸和田市民病院の医療を充実させる会」の結成総会が開催され、82名の参加で、当面の活動方針などを確認。たたかう決意を固め合いました。

 

「新行革プラン」に
 岸和田市民病院の独立行政法人化(独法化)の動きとこれに対抗する運動の経過を、春崎さん(岸和田市職労委員長)が報告。「平成19年から、病院改革ガイドラインが出され、厚生労働省が旗振り役となって、公立病院の『経営効率化』が推進されてきた」「岸和田市民病院は、平成27年にも独法化の検討がされたが、現行の経営形態で経営改善を目指す、との結論だった」「市は令和4年3月に『財政難』を理由に新行財政改革プランを発表。小中学校の統廃合、幼稚園・保育所の統廃合公民館など社会教育施設の再編などの見直しに加えて市民病院の経営形態の見直しが盛り込まれた」「コロナ禍の教訓は、公的医療機関政策医療の実践主体として、採算が合わなくても必要な医療が提供できる、ということ」などを報告。当面のとりくみとして、①宣伝・署名活動、②自治会など諸団体との懇談、③泉州地域での連携、④ニュースの発行、⑤財政の確立などを提案しました。


独法化で非正規化
 発言では、「独法化の下で、経営優先で確実に非正規化が進む。人事評価が強められ、チームワークが重要な医療の現場が分断される」(大阪自治労連医療部会)、「全国140の国立病院が独法化された。『定数の弾力的運用』として、人減らし、非正規化が進んだ。賃金水準も下がる中、31年ぶりのストライキで反撃している。独法化させないことが重要」(医労連)など、実態を告発しました。
 その後、フロアからの発言で、「(病院経営は)なんで黒字にならないの」と率直な質問。これにフロアから「私は、市民病院で30年働いたOB。医療器具、検査薬、医師の人件費あらゆるものが高額なのが病院の特殊性。現役時代も、少なからず人減らしを迫られた」と別の参加者が発言。


公立病院の役割
 川辺さん(前大阪労連議長)が、「自分も医労連運動に20代で飛び込んだ。救急医療や不採算部門や感染症など民間の医療機関がやりたくない分野をカバーするのが公立病院の重要な役目。効率化を追求すれば、絶対に切り捨てられていく」と改めて「市民病院を守る」運動に留まらず、「医療を充実する」運動であることを強調しました。
 提案された方針や役員体制を大きな拍手で確認。代表に選ばれた信貴さん(前岸和田市長)は、締め括りのあいさつで、「独法化は山登りに例えれば五合目。もっとひどい見直しを狙っている。みんなで力を合わせよう」と呼びかけました。
 1990年代後半からの「行政改革」の結果、日本では公的部門の雇用者の割合が10%を切り、OECD諸国では最低水準です(北欧諸国は20%超)。今回も財政難が理由ですが、国では国家公務員の人件費は半減し、財政赤字は2・3倍に増える矛盾したことが起きています。民営化が住民に何をもたらすのか一緒に考え、行動しませんか。