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組合費チェックオフの中止について団体交渉の拒否は正当な理由なし

大阪地裁が泉佐野市の不当労働行為を断罪(5月27日付け)

泉佐野市職員労働組合泉佐野市職員労働組合現業支部泉佐野市職労支援共闘会議・泉佐野市職労弁護団が、泉佐野市不当労働行為救済命令取り消し請求事件の判決について、声明を発表しましたのでその要旨を紹介します。

大阪地方裁判所(内藤裕之裁判長)は、平成27年7月28日発令された大阪府労働委員会命令について、泉佐野市が提訴した命令取消請求事件について、市側の不当労働行為を認める判決を行った。

 府労委命令は、①市は事務手数料を徴収することなく、チェック・オフを再開しなければならない。②平成25年6月以降チェック・オフを再開するまでの間、市職労が組合費集金のため金融機関に支払った振替手数料相当額を市職労に支払わなければならない。③市職労に対し誓約文を手交することの3点を泉佐野市に命じた。

 さらに、「長期間継続されてきたチェック・オフを中止又は変更するには、合理的な理由が必要であり、市は、組合に対し、その理由を明らかにして説明を行い、理解を得る努力を行う必要がある」とした上で、財政健全化という市の理由についても、慎重な検討を行わず、拙速な対応であり、組合に対する説明を行おうとしていたとは理解できないと厳しく批判した。

「団体交渉拒否に正当な理由はない」

 また、管理運営事項に該当するとの団交拒否の理由についても、チェック・オフのような給与からの控除については条例等の法令の根拠が必要であり、市長の裁量によってなしうるものでないから、そもそも管理運営事項に当たらないし、団体的労使関係事項であって義務的団交事項であるとして、団交拒否に正当な理由はいないとした。

 地裁判決は、上記の府労委命令を正当であると判断し、泉佐野市・千代松市長による支配介入及び団交拒否の不当労働行為を断罪した。また、チェック・オフが中止されたことによって組合が負担した振替手数料相当額の補填命令も労働委員会の裁量の範囲内にあるとした。こうした判断は、チェック・オフが組合財政の基盤をなし、組合活動を支える重要な制度であることを正しく理解し、労働基本権を保障するものと評価できる。

 他方で、地裁判決は、いわゆる混合組合の申立適格については認め、労働委員会で救済を求めることができるのは労組法適用職員に限られるとして、地方公務員法適用職員に関する事項については、不当労働行為の救済を求めることができないと判断し、その部分について府労委命令を取り消した。このような判断は、労組法の不当労働行為救済申立制度の利用資格について,形式的・機械的に判断して、地方公務員の労働組合が不当労働行為の救済を求めて労使紛争の解決を図るべく労働委員会を利用することを不当に制約するものというべきであって、労働基本権の保障を実質化するために、不当労働行為によって侵害された正常な労使関係の回復を図るという労働委員会制度の趣旨を損なうものとの非難を免れない。

泉佐野市は判決に従え

 泉佐野市は、府労委命令に従い、直ちにチェック・オフを無償で再開するよう強く求めるものであり、これまでの市職労が被った実損の回復を即刻図るよう求めるものである。また、いたずらに争議を長期化させることのないように本判決に控訴しないことを求めるとともに、橋下・維新の会からおおさか維新の会へと連綿と続いている組合事務所やチェック・オフなどの便宜供与に対する攻撃に対し、本判決を踏まえた、いわれなき攻撃を直ちに止めるよう強く求めるものである。

2016年5月18日

泉佐野市職員労働組合

泉佐野市職員労働組合現業支部

泉佐野市職労支援共闘会議

泉佐野市職労弁護団