「カジノ=大阪の成長戦略」が、そもそもバクチ
(4月24日付)
橋下大阪市長がめざす大阪の成長戦略の要は、カジノを含むIR(国際会議場や宿泊施設、エンターテイメント施設等が一体となった複合施設)の誘致です。そのために大阪市を廃止解体する「大阪市消滅構想」が、「大阪都」構想の真の姿です。
5月17日に実施される住民投票にむけて、橋下・維新の会は4億円もの政党助成金を使い、テレビCM・新聞への折込ビラ・インターネット広告などによる物量作戦を展開しています。
同時に、大阪市が主催する住民説明会(4月26日まで)を橋下氏の個人演説会のように私物化し、参加者の質問時間を保障しない独演会になっています。
橋下大阪市長のIR誘致への執念を物語る語録があります。「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」「大阪をもっと猥雑にするためにも、カジノをベイエリアに持っていく」(2009年10月知事時代)、「早く、早く、カジノやって」「いきなりお役所が税金で、手突っ込むものじゃなくて、一回カジノで使わして、そこから巻き上げてしまえばいいわけでね」(14年1月4日市長定例記者会見)。
カジノ企業のねらいは日本人のフトコロ
昨年、松井知事が面会したアメリカのカジノ会社のニール・ブルーム会長は「関西圏2200万人の人口基盤」を大阪進出の理由に挙げました。また、ラスベガス・サンズ社のアデルソン会長は「日本は人口も多い」と発言し、国内の人口集中地である大阪にカジノをつくることで、多くの国民をカジノに巻き込もうとしています。
日本は、すでにパチンコ・パチスロ、競馬などで年間5兆6千億円も損をする世界最大の「ギャンブル大国」です。厚生労働省の調査によるとギャンブル依存症の疑いのある人は536万人で世界最悪です。
ある学者の研究では、大阪湾岸地域の91万人がカジノを利用した場合、宿泊客が1日4万円を巻き上げられる計算となっています。あなたの家族や子どもが手を染める可能性が無いとは言えません。「カジノが大阪の成長戦略」ということ自体が、そもそもバクチなのです。