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諸課題交渉の到達点をどうみるか①

保育所送迎等職免45分⇒有休15分+特休15分へ

無給職免最大120分制度も新設

(2月2日付)

 1月28日、給与構造改革に伴う諸課題解決等交渉で当局から回答がありました。今交渉の到達点について、本日は保育所送迎等職免の無給化提案を検証します。

制度の経過

H3年▼15分の無給職免として創設。

H5年▼30分の特別休暇(ただし1か月で半日休暇取得扱い)又は無給職免

H8年▼30分又は15分の特休(30分は変更なし、15分は2か月で半休とする)

H18年▼勤務時間が15分延長され8時間となったことに伴い、現行制度へ(45分有給職免化) 当局は、労使間で多くの議論を重ねて積み上げてきたこの制度について、120分を上限とする無給職免への変更を提案。これは、約300人の方に影響を及ぼす重大な提案でした。

国や他市均衡を重視

当局は提案理由として、「政令指定都市の中で本市と大阪市のみがこの制度を導入している。国や他の自治体との均衡の観点も踏まえたい」(第1回交渉)としました。職場では「子どもを安心して産み育てることに不安ばかりを感じてしまう」「無給となると生活費の再検討が必要になり、本当につらい」「署名はないんですか。協力したい」等、多くの声が挙がりました。

 こうした声を背景に、交渉では「”子育てのまち堺”を掲げ、日本全体でも少子化問題に取り組む中、他市をリードする先進的な制度を廃止することは時代に逆行する」と強く反対。撤回を求めました。

無給職免に加えて

 しかし当局は、それらの声に応えないまま、第6回交渉まで推移。

 1月から短期間で集約した連名要請書(116職場1551筆)も提出し、撤回を求めるなか、ようやく1月22日の第7回交渉で、「現行制度は勤務時間延長の際に30分から45分と変更したものであり、現在の勤務時間は変更前と同じ7時間45分である」「他市均衡の観点から有休から取得することが適当」として、120分の無給職免に加え、「15分の有休分割取得を前提に、15分の特休取得を可能とする」制度の追加提案がありました。

回答をどう見るか

 切実な声を背景に追及したことにより、追加提案が示されたことは、現行45分が30分に短縮したとはいえ、一定の到達点といえます。

 しかし経済的には、現行どおり45分取得(新制度で有休15分+特休15分+無給職免15分)の場合、時給2千円の方で月20回取得(15分を20回=5時間)なら1万円の減給。また、年次有休を取得しきった場合は45分全てが無給となるなど、厳しい状況です。職場からは早速「昨年子どもが産まれたばかり。妻に会社復帰してもらわなければ経済的に立ち行かない中で辛い変更だ」という声が上がっています。

 有給休暇を年間約8日間取得する必要がある点からも不安の声が。

 執行部は回答を受けつつも、こうした職場からの不安や疑問について、4月からの運用に向けてやり取りを行っていきます。また、実態に基づく検証を行なったうえで、制度実施後も改善に向けて引き続き協議を行います。

 何も言わなければ、「不安や疑問はない」ものとされてしまいます。労働組合の一員として、ご一緒に声を上げていきましょう。