堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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GDP大幅減少

あまりに楽観的な安倍政権 (9月3日付)  内閣府が8月13日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価の影響を除いた実質で前期比1・7%(年率6・8%)のマイナス成長となりました。その主因は、消費税増税で家計消費が5・2%も落ち込んだことにあります。特に家電や自動車など耐久消費財では18・9%の大幅減少となりました。 楽観的認識  この結果について、甘利経済財政相は、消費税増税前の「駆け込み需要」の反動による減少であり、「景気は穏やかに回復が続いている」と述べました。日銀も、「駆け込み需要」の反動減は「想定内」であり、雇用者所得の増加が支えとなって個人消費は「底堅く推移する」と楽観的な認識を示しています。 前回の引上げよりも大きな落ち込み  前回、消費税率を3%から5%へ引き上げた後の1997年4~6月期のGDP低下幅は0・9%(年率3・5%)でした。これと比べても、今回の落ち込みの大きさが分かります。  前回増税時のGDPの落ち込みは、輸出の伸び(プラス4・2%)で緩和されましたが、今回の輸出はマイナス0・4%です。生産拠点の海外移転が進み、円安でも輸出の伸びは期待できなくなっています。 実質賃金の大幅減少  厚生労働省の調査によると、実質賃金は12カ月連続で減少しています。とりわけ増税後は3%以上の大幅減少が続いています。「賃上げ」が広がらず、名目賃金は4月0・7%増、5月0・6%増、ボーナスを含む6月も1%の微増にとどまりました。それを大幅に上回る消費税増税や円安による物価上昇が、賃金を大きく減少させています。 国民生活を無視 4~6月期の落ち込みは「駆け込み需要」の反動域だけで片付けられないことは明らかです。安倍政権の楽観的な見通しは、あまりにも国民生活を無視したものです。  楽観的な見通しの背後には、「谷深ければ山高し」で7~9月期には急速に回復するとの考えがあります。しかし、実質賃金の低下が続き、従来のように輸出効果も働かないことから、力強い回復を見込むことはできないと考えられます。 どうやって消費を増やしたのか  家計は、消費税増税に備えた「駆け込み需要」で消費を大幅に増やしました(2・1%増)。賃金が低迷するなかで、どうやって消費を増やしたのでしょうか。  消費者ローンの借り入れを大幅に増やして消費を賄ったのです。昨夏以降は前年同月比で10%以上の借り入れ増が続き、とりわけ増税直前の3月には24・5%も増えています。賃金の改善がないまま、増税の影響を回避するために、借金依存を高めざるを得なかった家計の姿が浮き彫りになっています。  安倍首相は、7~9月期の経済指標を材料に年内に消費税の10%への引上げを判断すると言います。増税を阻止し、実質賃金の引き上げを通じて家計を安定させることこそが、日本経済の立て直しに必要です。