堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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GDPマイナス 雇用破壊で縮む内需

所得減・消費税増税・負担増・物価上昇

アベノミクス安倍晋三政権の経済政策)の悪循環が鮮明です。企業がもうかっても賃金は上がらず、増税・負担増に物価上昇の四重苦。縮む内需国内総生産(GDP)も押し下げています。

 今回2月16日発表(2015年10月~12月期)の速報値によって、GDPは第2次安倍政権発足以降(13年1月~3月期から15年10月~12月期)の12四半期中、5回目のマイナス成長となりました。GDPを押し下げている最大の要因は個人消費の落ち込みです。

 GDP速報で、個人消費は前期比0・8%減。消費税を8%に引き上げた直後の14年4月~6月期の5・0%減を除けば安倍政権下で最大級の落込みです。

 個人消費を実質でみると、13年10月~12月期(約314兆6000億円)と比べ、今回(約304兆5000億円)は10兆円以上も減少。しかも、8%への消費税増税直後の14年4月~6月期(約305兆8000億円)と比べても1兆円のマイナス。内需の冷え込みが浮き彫りになっています。

 13年以降、個人消費が2年連続で下落の一方で、大企業の経常利益は過去最高を更新しています。(グラフ下)

正規雇用の流れ確立こそ

【雇用環境の劣化】

 長引く消費低迷の背景には、自民党政権が進めてきた規制緩和などによる雇用環境の劣化があります。雇用者数が増えても労働者賃金が増えにくい構造になっているのです。  厚生労働省が今月8日に発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、15年の実質賃金指数(10年=100)は94・6で、前年比0・9%減。実質賃金の前年割れは4年連続です(本紙2月15日号既報)。

 賃金が増えない最大の要因は、不安定で低賃金の非正規雇用の拡大です。総務省労働力調査では、13年1月から15年12月の間に非正規雇用労働者数は215万人増。一方、正規雇用労働者数は、同期間に20万人も減少しています。

 国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、働いても200万円以下の年収しか得られない労働者のうち約8割を、非正規雇用労働者が占めています。

 大企業になるほど非正規雇用労働者を増やしています(グラフ左)。従業員数が1000人以上の企業は、08年のリーマン・ショックを前後した世界経済危機の中で大量に「非正規切り」し、10年ごろから再び大量に雇い入れ。非正規雇用労働者を景気の調整弁とし、ご都合主義的に利用しているのです。

【先行きへの不安増大】

 安倍政権は、労働法制のさらなる改悪に加え、社会保障費の大幅削減も狙っています。 17年4月には消費税10%への再増税が待ち構えています。

 日銀のマイナス金利導入で民間銀行の預金金利も引き下げられました。先行きへの不安で、個人消費の落ち込みが加速しています。

【外需も不安定化】

 頼みの外需も雲行きが怪しくなっています。今回のGDP速報で、輸出は0・9%減と2四半期ぶりのマイナス。内需破壊と外需依存を極限まで進めた結果、頼みの海外経済が不安定化すると、家計も大企業の業績も揺らぐ構造になっています。

【ルール確立と最賃引上げこそ】

 日本経済の再生には、労働者の働く権利を守り、非正規から正規雇用の流れを生み出すルールの確立こそ必要です。

堺市職労は、働くルールの確立とあわせて、最低賃金1000円への引上げ等を求める要請署名に取り組み、労働者全体の賃金引上げを求めます。16国民春闘で、「雇用のルール確立」「最低賃金1000円」の声を職場や地域で広げましょう。