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労働総研の春闘提言 大企業の内部留保を還元 賃上げで経済再生へ

1月26日付

全労連と共同する労働運動総合研究所(労働総研)が14日までに発表した「2022年春闘提言」は、この20年におよぶ労働者の賃金など暮らしと日本経済の苦境を明らかにし、コロナ禍の今こそ賃上げ・労働条件の改善で経済再生に踏み出そうと提起しています。

 

 提言では、日本経済の超・長期不況の原因が、賃金が上がらなかったことにあると指摘。その結果、消費需要が拡大せず、経済成長につながらないと強調しています。
 賃金が上がれば「国内需要増→国内生産増→付加価値増→国内需要増→国内生産増」という好循環が生まれ経済は成長するが、賃金が下がれば「国内需要減→国内生産減→付加価値減→国内需要減→国内生産減」という『悪魔の循環』に陥り、経済は縮小すると告発しています。この悪循環から脱するために第1に、長期不況の前まで賃金水準を戻すことを提起。厚労省「毎月勤労統計調査」で、月間現金給与総額のピークは1997年の37万1670円であり、2020年の31万8405円を5万3265円引き上げるべきだとしています。
 第2は1997~2020年の労働生産性上昇率分をプラスすることです。国際労働機関(ILO)の推計によれば労働生産性上昇率は16・7%で、11万5400円の賃上げが必要です。
 第3は、賃金を西欧先進国並みに引き上げることです。日本を除くG7諸国の賃金を労働者数で加重平均すると、2020年は5万7710ドル。日本の平均年収は4万1164ドルで、1ヶ月15万1672円の賃上げが必要だとしています。
 これを実現するには、不払い労働(サービス残業)の根絶と、非正規雇用の正規化、最低賃金の時給1500円への引上げを行えば実現可能だと強調しています。

 

賃上げで日本経済を
新たな成長軌道に!
 不払い残業に正当な報酬を支払えば、月間現金給与総額が1万2991円増加。非正規雇用者を正規化し賃金格差を解消すれば、1万2156円増加。最賃を時給1500円に引き上げると2万6641円増加します。これにより平均賃金は、1997年のピークに達するとしています。
 提言は、全労連春闘共闘が要求する月2万5千円の賃上げは企業の内部留保の2・80%、時給1500円は2・98%、働くルール確率(不払い労働根絶、年休完全取得、週休2日制の完全実施)も2・14%で可能だと指摘。最賃1500円とサービス残業根絶、非正規雇用の正規化を行えば賃金水準を1997年のピーク時まで回復させることができるとしています。
 「賃上げ・労働条件の改善は企業の負担増になるが、やがて生産増、販売増として経営に跳ね返ってくる」と指摘。「内部留保のごく一部を活用するだけで賃金・労働条件を抜本的に改善し、日本経済を新たな成長軌道に乗せることが可能になる」と強調しています。