堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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大企業の内部留保505兆円超 物価上昇から生活まもる大幅賃上げを

12月14日付

秋季年末闘争で職場の声をもとに労使交渉をすすめた結果、国を上回る初任給改善など一定の到達点を築くことができましたが、2023年春闘では、物価上昇を上回る大幅賃上げ、賃金底上げが最重要課題です。

 

企業の経常利益は最高
 財務省が1日に公表した2022年7~9月期の法人企業統計によると、金融、保険業を除く全産業(全規模)の経常利益は前年同期比18・3%増の19兆8098億円でした。増益は7四半期連続で、比較可能な1954年以降で、7~9月期としては過去最高益でした。また資源高や急激な為替変動の中でも業績は堅調に推移し、新型コロナウイルスの流行前より経常利益は2割以上増えたのに対し、人件費は1・7%減と低迷しています。


膨らむ内部留保
 さらに資本金10億円以上の大企業の内部留保は初めて500兆円を超え、9月末時点で505・4兆円となりました。第2次安倍政権発足前、12年の同時期と比べると57・3%増えましたが、労働者の実質賃金(年収)は同期間に24万円も減っています。
 その間、売上高は9・9%しか増加していないのに経常利益は77%増え、名目賃金の伸びは7・4%にとどまりました。賃上げを抑制し、大幅なコスト減らしなどで利益を膨らませて内部留保を積み増したことが明らかになっています。
企業減税は成長につながらない
 安倍政権下で法人税率を連続して引き下げたことも大企業の利益を拡大させ、大企業役員の報酬は27・6%も増えました。
 その一方で、実質国内総生産(GDP)は13年度から21年度にかけて0・8%しか伸びていません。
 大企業を減税などで優遇しても賃上げにつながらず、消費が冷え込んで経済成長をストップさせました。
中小企業への直接支援こそ必要
 中小企業に対する政府の賃上げ補助(業務改善助成金)は、設備投資で生産性を向上させることが要件となっており、不況で新規投資の難しい中小企業には使いにくい制度です。コロナ危機への対応として対象を拡大した21年度でも利用実績は中小企業全体の0・1%にすぎません。社会保険料負担の軽減など中小企業全体に届く支援が必要ですが、岸田首相は「構造的な賃上げ」を言うものの、賃金が上がらない構造には手を付けません。
 また、歴代政権が派遣労働の規制緩和などで正社員を非正規雇用に置き換えてきたことが1990年代末以降の賃金引き下げ要因となってきたことは明らかです。
23春闘での大幅賃上げが必要
 堺市職労は秋季年末闘争で「物価高のもと、全ての職員の生活改善につながる賃上げ」を強く求めて、さまざまな取り組みをすすめてきました。この運動を職場や地域から、さらに本格化させていくのが23国民春闘です。
 また、岸田政権が軍事費の規模を5年間で1・56倍の43兆円とする大軍拡を狙っていますが、その財源確保のために「国民が広く負担する」大増税が企てられています。
 私たちは職場での取り組みを強化するとともに、全国の働く仲間とともに社会的賃金闘争として、内部留保の活用で大幅賃上げ、全国一律最低賃金制度の確立、最低賃金1500円の実現、そのための中小企業への抜本的な支援強化、公務員賃金の改善、すべてのケア労働者の賃上げにつながる制度設計、平和も暮らしも壊す大軍拡反対などを政府に求める取り組みをすすめます。