堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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政治的行為の制限に関する条例(案)

市民の声 届く職場に意見出し合える職場に

「良識ある判断求める要請書」提出スタート

(3月18日付)

 職員が規制される政治的行為の範囲を国家公務員並みに拡大する、「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例案」(大阪維新の会堺市議会議員団提出)が、19日の本会議で採決にはかられようとしており、緊迫した状況にあります。

 政治活動制限条例については、「良識ある判断を求める要請書」が、ごく短期間にもかかわらず、全国各地200団体以上から寄せられています。執行部は、市議会各会派に対し、順次提出を行う予定です。

 同条例案は、昨年5月に大阪維新の会堺市議会議員団から提案されましたが、疑問点が解消しないことなどから、5月議会、12月議会に継続審査となっていました。

 そもそも、民主主義の根幹である、表現の自由、とりわけ政治活動の自由は、国民として公務員にも保障されており、規制は必要最小限でなければなりません。

 国家公務員の政治活動の自由を包括的・網羅的に規制している国家公務員法をめぐっては、国連自由権規約委員会が「不合理な制限」とし、撤廃を日本政府に勧告しています。

 また、一昨年12月の最高裁判決は、国家公務員法で禁止されている政治的行為とは「公務員の職務遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指す」とし、限定的に解釈しています。

 そもそも立法事実が存在するのかということについて、堺市当局は「存在しない」と答弁しています。

 さらに、委員会での討論では、質問に対して、提案者の維新の会は「分からない」「調べていない」と、答弁に窮する場面が繰り返され、継続審査となった時点から疑問が解消されたかと言えば、到底至っていません。

 すでに条例が制定された大阪市では、住吉市民病院の存続を求める住民の声を伝えるために、病院長に懇談を申し入れましたが、「政治活動制限条例が制定され、市長と違うことは言えません」と拒否する事態が発生しています。

 さらに、大阪市役所労働組合からは「一昨年2月の『思想調査』に続き、政治活動制限条例が制定され、市民生活に大きく影響する施策でも、「『市長を批判することはできない』『下手なことを言えば処分されるのでは』という空気が流れ、職員は委縮しきっています」と報告されています。

 必要最小限度を超えた規制により、市民の声が届かない、委縮して自由に意見が言えないという職場にならないように、残された時間を最後まで、職場や地域のみなさんと働きかけていきます。