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公務員制度改革の基本方針決定

内閣人事局」来春設置をめざし

労働基本権の回復については言及されず

(7月12日付)

 安倍内閣は6月28日、国家公務員制度改革推進本部において、「公務員制度改革の基本方針」を決定しました。国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」の来春設置を狙っています。

 第1次安倍内閣が07年4月に閣議決定した「公務員制度改革について」に基づいていますが、当時、検討課題に挙げられていた「労働基本権」の回復については、まったく言及されていません。

07年の閣議決定より後退した内容

 6月27日、全労連公務員制度改革闘争本部は、推進本部事務局との交渉を行いました。

 闘争本部は、「労働基本権を引き続き制約しながら、人事管理を強化することは断じて認められない。労働基本権は、基本法12条に検討が定められ、この間の公務員制度改革を巡る最大の争点だった。また、ILOからは度重なる勧告が出されている。国際世論にどう応えるのか。更に07年の閣議決定では、労働基本権について検討するとしてきたが、その到達点さえも下回るものだ。政府にとって都合のいいものだけをつまみ食いしており、ご都合主義の乱暴なやり方だ」と厳しく批判しました。

 また、労働基本権制約の代償措置として、人事院が設定・改定している級別定数が内閣人事局に託されることや、同様に人事院の所管である給与制度の見直しにまで言及していることなど、問題点を指摘し、「その他にも多くの重大な問題点を持っており、到底、納得できない。もし、今後、具体的な制度設計を行うならば、当事者たる国公労連との話し合いを尽くせ」と述べ、充分な協議を求めました。

 しかし、6月28日の推進本部で「公務員制度改革の基本方針」として決定し、「内閣人事局」の来春設置を目指し、秋の臨時国会に関連法案を提出する方針と明記されました。

懸念される地方への影響

 7月の参議院選挙で、与党である自民党公明党議席過半数を占めることになれば、これら法案は数の上で可決可能になります。また、安倍内閣は、具体的な制度設計は参議院選挙後に先送りとしていますが、選挙結果いかんで、より後退した制度になる可能性があります。

 更に、公務員制度改革の中で挙げられている「人事院の廃止」も、内閣人事局設置に付随して、提出される可能性があります。そうなれば、第1次安倍内閣の経過からすると、地方公務員への影響も必至です。憲法で保障された労働基本権を回復しないまま、労働基本権一部制約の代償機能としての人事院及び人事委員会が廃止となれば、憲法違反のそしりも免れない事態となります。

 私たちは、こういった問題点も注視した上で、参議院選挙に臨む必要があります。