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厚生労働省、「准正規労働者」化に助成方針

事後の結果を同省が責任をもって検証を

(3月7日付)

 厚生労働省は、平成25年度予算案における主な非正規雇用関連対策として、「有期・短時間・派遣労働者等安定雇用実現プロジェクト(仮称)」を打ち出しています。

 正規雇用転換、人材育成、処遇改善などに向けたガイドラインの活用、事業主のこれらの取組を促進する包括的な助成措置など、非正規雇用で働く労働者の企業内でのキャリア・アップをめざし、ハローワークによる事業主支援体制を強化するとし、予算は54憶円です。

 新聞報道によると、これは、正社員と非正規労働者の中間に位置する新たな雇用形態創出に乗り出すとされています。

 雇用期間に定めがない無期雇用にして賃金を上げ、正社員に近づける一方、昇進などは制限する「准正規労働者」ともいえる形態で、増え続ける非正規労働者の労働条件の改善につなげる狙いがあるとし、非正規労働者を准正規労働者に引き上げるなどした企業に対し、助成する方針です。

 「正社員を増やすことにこだわっていても、不安定な非正規労働者が増えるだけだ」と厚労省幹部は危機感をあらわにし、今回の対策を打ち出した背景を語っています。

 非正規労働者はこの10年間に年平均約30万人のペースで増え続け、昨年は約1813万人と労働者全体の35・2%を占めるまでになり、有期雇用は1410万人に上ります(1月総務省労働力調査)。

このうち約400万人は正社員を希望しながらかなわずにいる非正規労働者です。

 「地域社員」「A社員、B社員」などさまざまな呼び方で、今回同省が掲げる「准正規労働者」はすでに広がっており、同じ仕事をしているのに賃金労働条件の格差が大きいことへの不満も広がっています。今回の助成措置によって有期雇用から無期雇用にどれだけ転嫁されたのか、非正規労働者の賃金がどれだけ上がったのか、事後の結果を同省が責任をもって明らかにすることも求められます。