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同じ仕事なら同じ賃金を

パートタイム労働法改正 実効あるものに (3月18日付)  パート労働者にかかわる法律、「パートタイム労働法」の改定案が今国会で議論されます。パートタイム労働者は全国1400万人、雇用者の約3割にのぼります。(総務省労働力調査」)。焦点は、「同じ仕事をしていたら、雇用形態の別なく同じ待遇の実現」です。 法律制定と問題点  パートタイム労働法(短時間勤務労働者の雇用管理の改善等に関する法律)は、平成5年に制定されました。正社員と同様の仕事をすれば同じ賃金を支払うという均等待遇の原則が明記されず、実効のない均衡待遇にとどまるなどの問題点をかかえています。 均等扱いと厳しい要件  劣悪な低賃金を改善する実効ある改正を求める労働者の声をうけ、H19年の改定では、賃金や教育訓練などの均等扱いを義務付ける規定が設けられました。  ただし、対象となる労働者は非常に限られています。差別的取扱いを禁止する適用要件として、同法8条では、①正社員と職務が同じ②異動や転勤の有無など正社員と人材活用のしくみが同じ③期間の定めのない契約(無期契約)があげられています。厚生労働省によると、適用されるパート労働者はわずか1・3%です。 業務内容同じ・約3割  一方、業務内容や責任の重さは正社員と同じという無期雇用のパート労働者は27・0%、有期雇用は18・1%です(「短時間労働者の多様な実態に関する調査」H24年、労働政策研究・研修機構)。厳しい要件をなくし、合理的な理由のない不利益取扱いを禁止し、同じ仕事には同じ賃金が保障される改正が求められてきました。 対象者拡大は0・8%  今回の改定案では、③無期雇用が外されましたが、これでは対象者は広がりません。厚労省の調べでも、対象者は0・8%増えるだけです。その最大の原因は、②の「人材活用のしくみが同じ」を残したことにあります。  生活物品の店舗販売を行う生協の職場では、パート店長が増え、小さな店舗の8~9割がパート店長です。年収は正社員の約半分ですが、仕事は変わりません。違いは、パート店長の異動の範囲を正社員より狭くしているだけです。厚労省の冊子によれば、このような労働条件の違いを理由に、人材活用のしくみが異なると判断され、差別的取扱いが容認されています。  改定案は、改善幅が大変小さく、大多数のパート労働者は救われません。実効性のある改正に向けた運動が 求められています。さらに、公務職場では、パートタイム労働法も、一般職としての地方公務員法の適用も受けない、「法の谷間」と言われる非常勤職員の問題があり、一体的に取り組む必要があります。