品位を疑われかねずきわめて残念な結果
市長より、再議書提出
(3月20日付)
堺市議会は、19日の本会議において、大阪維新の会堺市議会議員団提案の「堺市職員の政治的行為の制限に関する条例」について採決を行い、賛成多数で可決しました。その後、市長から地方自治法第176条第1項の規定により再議が出された結果、総務財政委員会に付託され、会期は4月22日まで延長されました。
本会議の起立採決では、維新の会、公明党、自民党の賛成多数で可決。その後、市長より「議決について異議がある」と、再議書が提出されました。再議に付された場合、地方自治法第176条第3項の規定により、出席議員の3分の2の同意が必要とされています。
再議の理由概要
▼地方公務員法は政治的行為の制限について追加規制を許容しているが、立法事実不存在のため、実際に追加規制を規定しているのは全国的にごくわずか、▼また、堺市における立法事実は存在していない、▼議決は重いが、当該条例の必要性はきわめて乏しい。
会期は34日間延長
協議の結果、再議について総務財政委員会に付託することとなり、市議会の会期が4月22日まで延長されることとなりました。
同条例は、憲法第19条(思想良心の自由)、第21条(集会結社表現の自由)、地方公務員法第36条(政治的行為の制限)に反して、国家公務員法及び人事院規則にならった規制を課すものです。
同様の内容が定められている大阪府条例に対して大阪弁護士会から制定に反対する会長声明が出されたほか、堺市人事委員会からも、「慎重に検討する必要がある」との意見が出されています。
昨年5月議会に提案されて以降この間の市議会審議でも、条例の違憲性への懸念、立法事実が存在しないなか必要性や緊急性に疑問、質疑において提案者が答弁不能となるなど審議を尽くしたとは言えない等の指摘が相次いできました。
すでに条例制定された大阪市では、首長の顔色をうかがう「もの言えぬ職場」となっているとの報告もあり、市民と職員を分断することにつながり、ひいては市民サービス低下を招きかねません。
この条例が市議会で可決されたことは、議会の品位が疑われかねない事態であり、きわめて残念です。会期は延長されましたが、私たちは、条例の問題点を知らせ、引き続き運動に取り組みます。