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厚労省「職場のパワハラに関する実態調査」報告書公表【後編】

パワハラが発生する要因や予防・解決に向けた課題を検討

(12月20日付)

 昨日付で報じた、厚生労働省「職場のパワーハラスメント(以下、パワハラ)に関する実態調査」報告書の続きです。

パワハラの予防・解決のための取組を進める視点

①企業全体の制度整備

 実際にパワハラを受けた者が相談窓口に相談する比率は極めて低いことから、単に相談窓口を設置するだけでなく、相談窓口が活用され、解決に繋げるアクションを促すような仕組み作りもしていく必要があります。

 更にパワハラに関する研修制度や就業規則などの社内規定に、パワハラ対策を盛り込むことなど、総合的な取組をしていくことが重要です。

②職場環境の改善

 パワハラの実態を把握し、解決に繋げるアクションを促すためには、上位者がパワハラについて理解した上で、部下などとのコミュニケーションを行うことにより、パワハラが生じにくい環境を作り出すとともに、パワハラに関する相談がしやすい職場環境を作り出すことが重要です。

 また、職場における働き方についても、労使で充分話し合って、労働時間や業務上の負荷によりストレスが集中することのないよう配慮することも、パワハラをなくすことに繋がると考えられます。

③職場におけるパワハラへの理解促進

「職場のパワハラの予防・解決に向けた提言」(同省3月公表)をもとに各企業は、自社の状況を踏まえ、労使の話し合いのもと、企業としてのパワハラについての考え方を整理し、職場において、パワハラの予防・解決への意識啓発を進めていくことで、パワハラかどうかの判断やパワハラと言えない相談が寄せられるといった課題の解決に近づくことが期待されます。パワハラの予防・解決への取組を進め、従業員の関心が高まることで、一時的にはパワハラの相談が増えることも予想されますが、しっかりと相談に対応していくなかで、各種取組の効果が現れ、将来的にはパワハラをなくすことに繋がると考えられます。

調査結果を活用して

 調査結果などを踏まえ、同省では引き続き、職場のパワハラの予防・解決に向けた社会的気運を醸成するための周知・啓発を行うとともに、パワハラの予防・解決への労使の取組に対する支援などの施策を実施する予定です。

 また、相談窓口などに相談した者がわずかだという調査結果から、同省は「人事査定への影響や他人に知られることを心配し、躊躇しているようだ」と分析しています。

 堺市でも、人事評価制度の勤勉手当への反映が条例で規定されるなか、不合理な評価や、パワハラの温床となるような制度にならないよう、理解と納得のいく制度設計が求められます。

 また、堺市職労としても、調査結果を活用し、風通しの良い職場の雰囲気作りに取り組んでいきます。