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高齢期雇用と定年延長問題

職務給すら投げ捨てる3割引き下げ

 人事院は、9月30日人事院勧告とあわせて国会と内閣に対し「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」を行ないました。公的年金の支給開始年齢が、2013年度以降段階的に引き上げられることから、定年延長問題は、私たちの生活設計にとって影響を与える重要な問題となっています。

 人事院は、公的年金の支給開始年齢が、2013(平成25)年度以降段階的に60歳から65歳へと引き上げられ、現行の60歳定年制度のままでは無収入となる期間が発生することから、国家公務員制度改革基本第10条の規定に基づき検討を始め、「定年を段階的に65歳に引き上げることが適当」であるとして意見の申出を行ないました。

【段階的な定年の引き上げ】

13年度から3年に1歳ずつ段階的に定年が引き上げられ、25(平成37)年度に65歳定年となります。

 段階的に定年が引き上げられている期間中は、延長された定年退職後、年金が満額支給される65歳までの間について、再任用制度の活用の拡大を通じて65歳までの雇用は確保するとしています。

【年間給与は60歳前の7割】

60歳超の職員の給与は、民間企業の高齢期雇用の実情を考慮し、年間給与が60歳前の70%水準(俸給月額73%、特別給3・00月分)に設定されています。

【多様な働き方など】

組織活力を維持するための方策として、当面役職定年制の導入による組織活力の維持、短時間勤務制の導入や節目節目での意向聴取等を通じ、60歳超の職員の多様な働き方を実現するとしています。また、加齢に伴う身体機能の低下が職務遂行に支障をきたすおそれがある職務に従事する職員の定年の引き上げに関して、その職務の特殊性を踏まえた条件整備や所要の措置の検討が必要だとしています。

 60歳と同じ職務を行なっているにもかかわらず、賃金が30%も下がるのでは、これまで人事院固執してきた職務給原則すら投げ捨てるものです。本来賃金は、その年代に応じた生計費をふまえたものであるべきです。また、公的年金の支給開始年齢の引き上げに伴う「高齢期雇用」の問題は、民間労働者にとっても重要な問題です。官・民がともに考え、とりくんでいく必要があります。

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