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定年引き上げの問題点、要求と課題 シリーズ定年延長① なぜ、定年の引き上げなの?

8月4日付

  なぜ、定年の
   引き上げなの?
 社会保障制度改悪の一環としての年金制度改悪により、支給開始年齢が繰り延べられ、基礎年金部分はすでに65歳支給開始とされ、報酬比例部分(厚生年金部分)も段階的に引き上げられ、2025年度からはすべて65歳からの支給とされています。60歳定年のままでは、収入を得ることができない期間が生じるため、雇用と年金の接続を図る必要があります。すでに民間では改正高齢者雇用安定法により定年年齢の引き上げ措置を義務付け、公務員にも導入するよう人事院が意見を出していました。
国家公務員の
   定年引き上げ①
 民間の定年引上げには遅れましたが、公務員も今年6月4日に国家公務員法等改正案、地方公務員法改正案がそれぞれ可決・成立し、定年引上げが決まりました。まず、国家公務員の定年引き上げの概要について見ていきます。①2023年4月から、2年に1歳ずつ定年を引き上げ、2031年度から65歳定年へ移行します。②役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入。組織活力を維持するためとして、管理監督職の職員(いわゆる管理職手当の対象職員)は60歳の誕生日以後最初の4月1日までの間に管理監督職以外の官職に異動となります。つまり、管理監督以外の職に降任となりますが、ポストの確保どうするか、などが課題。③60歳に達した翌年度から給料額を7割に引き下げ。つまり、60歳に達した翌年度から仕事は同じでも60歳の給料の7割に減らされます。定年延長が公務員優遇との批判をかわすことを口実に人件費削減をねらったものですが、人事院の調査でも民間では定年年齢の引き上げを理由とした給与減額がない事業所が6割以上。減額があっても水準は約77%。これでは納得できません。