堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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定年延長、本日交渉開催 退職手当、賃金水準、新規採用確保、職務の切り分け、技術継承等 課題山積

6月29日付

2023年4月1日に施行される、改正地方公務員法に基づく定年年齢の引上げについて、本日、堺市当局と団体交渉を開催し、具体の制度設計や労働条件について提案を受けるとともに、実施にむけた課題についてやりとりを行います。

 

十分な労使協議が必要
 地方公務員の定年年齢引上げにかかる運用については、昨年8月31日に総務省が運用通知及び質疑応答(第1版)を発出。(現在、第4版)
 質疑応答では条例改正の時期について「令和5年度60歳到達職員への情報提供・意思確認を令和4年度中の適切な時期に行う必要があり、その前に条例の規定を整備する必要があることから、できるだけ早期に(令和4年の3月議会又は6月議会を目処に)議案を上程することが望ましいものと考えられる」としていました。
 執行部は、職員の生活設計にかかわる重要な労働条件の変更となることから、早期に協議を開始することを求めてきました。
 今年の夏季闘争でも「定年引上げについては、重要な労働条件であり、労使交渉・協議を尽くし、労使合意すること。また、2023年度末に60歳に達し定年引上げの対象となる職員が、安心して働き方を選択できるよう適切な時期に条例化すること」と求めていました。
 5月30日の最終交渉で当局は「定年引上げについて、令和5年4月の施行に向けて、十分な協議時間を確保するため、早期に具体案を示し協議したい」と回答していましたが、すでに1ヶ月近くが経過しており、十分な協議時間の確保が困難な状況です。
賃金7割水準は妥当か
 国家公務員においては、60歳超の職員の給料月額は、当分の間、60歳前の7割とされています。この根拠は、「60歳を超えても引き続き同一の職務を担うのであれば、本来は、給与水準が維持されることが望ましい。他方で、国家公務員の給与は、社会一般の情勢に適応するように変更することとされている。定年引上げ後の60歳を超える職員の給与水準については、多くの民間企業は再雇用制度により対応していること等の現時点の民間企業における高齢期雇用の実情を考慮し、再雇用の従業員も含む正社員全体の給与水準を参考に設定することが適当であり、『賃金構造基本統計調査』及び『職種別民間給与実態調査』の結果を踏まえ60歳前の7割水準となるよう給与制度を設計することとした」との人事院の「意見の申出」(2018年8月)が根拠となっています。
 しかし、2021年人事院勧告の参考資料によると「定年年齢を60歳から引き上げた事業所における一定年齢到達を理由とした給与減額の状況」では非管理職で、給与減額あり:36・3%(うち60歳で減額:24・0%)、給与減額なし:63・7%、「定年年齢を60歳から引き上げた事業所のうち、60歳で給与を減額している事業所における60歳を超える従業員の年間給与水準」では、非管理職で76・6%の水準であり、7割を上回っています。
精力的に交渉・協議を
 組合が実施した夏季アンケートでは、定年引上げの課題として、「退職金の水準確保」(42・6%)、「賃金水準が7割へ引下げ」(42・3%)、 新規採用者の確保」(25・8%)、「60歳以前の賃金水準引下げ」(23・4%)「職員間の職務の切り分け」(22・3%)、「定年年齢を引上げるべきでない」(22・2%)、「技術継承」(19・4%)となっています。
 執行部は限られた時間の中でも、組合員から寄せられた課題について、当局から納得のいく説明を求めるとともに、労使合意を目指して精力的に交渉・協議をすすめていきます。