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経団連が春闘報告書提出 物価高を上回る賃上げを

2月16日付

昨年は平均3%を超える大幅な賃上げが実現されました。実にバブル景気以来、約30年ぶりの水準となりました。一方、物価はそれを上回る値上がり率で賃上げ後も生活が楽になったと感じる人はほとんどいません。
 そんな中、民間企業においては春闘が本格的に開始。とりわけ自動車関連労組においては好調な業績を背景に、歴史的水準とも言える大幅賃上げの要求書が次々に提出されています。
 ホンダの労組は、ベースアップ(ベア)相当額で月1万3500円を要求。93年以来31年ぶりの高水準で労組側は「依然として物価上昇は高い水準で推移しており、賃上げの流れを強める姿勢を示す必要がある」。定期昇給(定昇)を含めた合計額は2万円で、全体では5%超の賃上げ要求になります。トヨタ日産自動車などはホンダを上回るベアを求めました。
 鉄鋼大手の日本製鉄とJFEスチールの労組はベア相当額月3万円を要求と、バブル景気を超えて、いざなぎ景気以来50年ぶりの高さ。三菱重工業などの重工大手の労組は、月1万8千円のベア相当額を要求しました。
 これらは労働組合側の強い要求とともに日本経済団体連合会経団連)の春闘報告書でも積極的な賃上げを呼びかけていることが影響していると思われます。ただし経団連は大企業への影響は大きいものの、雇用者の7割を占めると言われる中小企業には限定的。人材を確保して、やめないでもらうためには賃上げをせざるをえない。でも、業績が厳しい。という悲鳴が多くの中小企業から上がっています。実際、人手不足による倒産は去年1年間で260件と、一昨年の1・9倍に増加。企業規模を問わず、サプライチェーン全体で物価高を上回る賃上げ・労働条件改善をしなければ産業は活性化しません。
 また、高齢者に対してもこれまでは定年後大幅に給料水準を下げてきた企業が、定年前までの水準を確保することで人材をつなぎ止める事例も散見されています。民間労組のこうした流れは官公労にも大きな影響を与えます。公民含めた全体での好循環が期待されます。