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避難所開設の課題で貴重な前進 自家用車利用の際の燃料費 1㎞37円支給へ条例改正

2月9日付

堺市の災害避難所の運営にかかる課題については、この間、堺市職労と自治労堺が合同で当局と協議や意見交換を行ってきました。その課題の1つである、自家用車で避難所に向かった際の旅費について、当局は旅費(車賃)の支給を可能とする条例改正を予定しています。

 

自家用車の燃料費支給
 具体的な改正内容は、堺市職員等の旅費に関する条例第4条(旅費の種類)第5項「車賃は、陸路(鉄道を除く。)旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する」の「旅客運賃等」の次に「又は1キロメートル当たりの定額」を加え、第11条(車賃)「車賃の額は、現に支払った旅客運賃、急行料金及び指定料金による」に「ただし、公務上特に必要があると認められる場合として規則で定める場合に限り、1キロメートルにつき37円とする」を加えるものです。
 これにより自宅から避難所へ直接、自家用車で向かった場合に1㎞あたり37円が旅費(車賃)として支給可能になります。
 避難所開設の際の自家用車の使用については、当局が4年前の意見交換で「6割近い職員が自家用車を使用している。要因を見極めたい」としていました。
しかし昨年7月の意見交換でもその結果は示されませんでした。
 現在のマニュアルでは「㋐出勤の際は、徒歩や自転車及び公共交通機関の使用を基本。公用車・自家用車での出勤を禁止するものではないが、燃料費弁償は不可。㋑出勤中は公務扱いになるため、事故等の内容や状況によっては公務災害の対象。㋒利用する公共機関の運行が止まっていて、他の交通手段(公用車等)もなく、タクシー利用が必要な場合は、利用前に所属長へ連絡、了解を得たうえで利用。(タクシーの利用は、所属の判断となる)なお、立替払いにより利用した場合は、領収書を貰い、後日、各所属において処理」となっており、基本的に自家用車の利用者は燃料費の支給も事故の補償もありません。
安心安全な環境整備を
 職員からは「速やかに避難所開設するのに、一旦職場に来て公用車で出勤するのは不合理」「避難所の開設を命じるなら、自宅から避難所までの交通用具利用の費用くらい支給すべき」との声があがっていました。
 加えて昨年6月に「急激な大雨における風水害時指定避難所を開設指示から60分以内を目標に開設できる体制を構築する」として、バックアップ職員を確保するよう通知がされました。
 昨年7月の意見交換の場で当局は「60分以内はあくまで目標」「徒歩、自転車又は公共交通機関の利用が基本」として“60分”以内は自家用車の使用を想定していないと説明していました。
 しかし通知にはそのような内容は記されておらず「少なくない職員・所属長が自家用車の使用を前提にバックアップ職員としているのではないか」と指摘していました。
 執行部は1㎞あたり37円という額が十分ではないと考えますが、長年、自家用車への費用弁償は行わないとしてきた当局の姿勢を変えさせたことは、僅かですが、貴重な一歩と考えます。そして、その貴重な一歩を築けたのは、労働組合が職員の声を汲みあげ、当局と粘り強く交渉・協議を重ねてきたからです。
 能登半島地震でも避難所の重要性や運営の厳しさが浮き彫りになっています。住民の安全を確保するための避難所運営に使命感を持って従事する職員が、少しでも安心・安全に業務にあたれるよう、引き続き改善を求めていきます。