月例給4月遡及、来年度勤勉手当引き出す
欠員問題や報酬水準改善に課題残す(12月25日付)
秋季年末交渉で、会計年度任用職員について、一定の前進がありました。これまでの取組みを振り返ります。
制度導入時からの課題
2020年度から制度が導入された会計年度任用職員制度は、処遇改善の制度として全国的に導入されたものの、雇用継続、賃金水準など多くの課題が噴出しました。
堺市役所では、①従前の一般非常勤職員については大綱合意に基づき、任期更新にあたっては勤務実績を考慮して再度の選考を行うとされたものの、②報酬については、制度移行前の年収ベースが基本とされたため、「期末手当が支給されるようになったが、月例給が引き下げられた」「短期臨時職員時代より勤務時間が短くなり、報酬額が減った」といった課題が生じました。
制度導入後、会計年度非常勤職員の一部職種では欠員が深刻化。堺市職労では交渉のつど、非常勤四共闘や会計年度事務補助当事者の声を背景に、欠員解消や処遇改善を求めてきました。
3Tアクション
こうした中、昨年、堺市職労も加入する自治労連は、抜本的な処遇改善を求めて、会計年度任用職員の誇りと怒りの3Tアクション(つながる・つづける・たちあがる)を呼びかけ、「会計年度任用職員『いまだから聴きたい!』誇りと怒りの(ほこイカ)2022年アンケート調査」を実施。アンケートは全国で22401人分(堺からは専門職など200人が回答)集められ、署名も60823人分集まりました。
自治労連は、再三にわたる総務省との交渉や申し入れ、ほこイカアンケートによる実態の告発と記者会見などに取り組み、マスコミも会計年度任用職員の劣悪な処遇や雇い止めの問題を度々取り上げるなど、大きな世論を巻き起こしました。
勤勉手当 法改正実現
こうした運動が国を動かし、今年の通常国会で、短時間勤務会計年度任用職員に勤勉手当を支給可能とする地方自治法の改正が可決成立しました。
ほかにも、会計年度任用職員についても4月遡及を可能にするよう総務省が通知するなど、処遇改善に向けた動きがありました。
秋季年末交渉で追及
こうした国の動きを背景に、執行部は、非常勤四共闘とともに秋季年末交渉で処遇改善を求めました。
その結果、①令和6年度から勤勉手当の支給を行う②令和5年度についても常勤職員の引上げを踏まえ、0・05月の引上げを行う
③報酬改定を令和5年4月に遡及することが回答されました。
交渉の当初では、会計年度任用職員の4月遡及は行わないとの姿勢でしたが、国の通知も確認しながら追及した結果、「4月遡及」との回答を引き出しました。
引き続き当事者の声を集めよう
今回、会計年度任用職員について一定の回答が示されましたが、報酬水準が職務内容に見合っていないという根本的な問題は解決しておらず、また欠員問題も引き続き深刻です。
今後、春闘において、引き続き当事者の声を集め、処遇改善を求めていきましょう。