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自治労連が人事院勧告に対する声明「生活改善にほど遠い勧告」 堺市職労は人事委員会への要請を強化

8月9日付

自治労連は、7日に行われた人事院勧告に対して声明を発表しました。(要旨を掲載)

 人事院は国会と内閣に対して、俸給表プラス改定と一時金引き上げの勧告を行った。若年層だけでなく、再任用職員も含むすべての職員に及ぶ俸給表を引き上げ、期末・勤勉手当も引き上げる勧告となったことは、春闘から緊急勧告を求めて取り組み、全国から10万筆を超える「賃金改善署名」など公務・民間共同の力で運動をすすめてきた結果である。
 しかし、物価高騰にも春闘の到達にも遠く及ばない改定率であり、生活改善に資するものではない。3年以上におよぶコロナをはじめ相次ぐ自然災害、政権が強引に進めるデジタル化への対応など、公務労働者の奮闘と苦労に報いる賃上げこそが必要である。

 

最賃を下回る初任給

 月例給については民間給与を3869円(0・96%)下回るとして、若年層に重点を置き、初任給は大卒で1万1000円、高卒で1万2000円の引き上げとしたが、民間の初任給とは依然として大きな格差がある。
 しかも、今年の中央最低賃金審議会の目安は全国平均1002円となった一方で、改定後の国家公務員高卒初任給は時間当たり992円であり、依然として最低賃金を下回る状況が改善されていない。公務員の賃金は、最低賃金を考慮するとともに、「健康で文化的な生活」を保障する水準とすることを求める。

 

成績主義強化の反省を

 一時金については、年間支給月数が民間企業を0・09月下回るとして、0・10月(再任用職員は0・05月)を期末・勤勉手当で等分に引き上げるとした。
 勤勉手当について、成績率の上限を2倍に引き上げると言及したことは断じて容認できない。民間では行き過ぎた成果主義賃金の弊害があらわになっている実態を見ていない。

 

常勤職員同様の改定を

 非常勤職員の給与改定について、常勤職員同様の取扱いを基本とする指針にもとづき、各府省を指導するとしたことは重要である。自治体でも4割にのぼる会計年度任用職員の一時金支給、賃金の遡及改定が求められる。

 

人事院は本来の役割を

 政府は賃上げの必要性を強調しているが、人事院はその機能を果たしていない。公務員の賃上げは、すべての労働者に影響を及ぼすものであり、責任は重大である。また、人事院が労働基本権制約の代償措置機関となり得ていないことがさらに明確となった。

 

長時間労働解消は最優先課題

 長時間労働の「是正」について、勤務時間の適正管理や業務量に応じた定員の確保に言及しつつも、定員管理を担当する部局に「協力をお願いする」と「報告」で述べるにとどまっている。

 

「給与制度のアップデート」

 社会と公務の変化に応じた給与制度の整備(給与制度のアップデート)については、①人材確保への対応、②個々の成長を通じた組織パフォーマンスの向上、③働き方やライフスタイルの多様化への対応の3課題について、2024(令和6)年に向けて必要な措置を検討するとした。給与カーブのフラット化と能力・成績主義の強化ではなく、生計費原則による、誰もが安心して公務に専念できる給与制度を目指すべきである。

 

大幅賃上げ、人員増、会計年度任用職員制度の改善を

 自治労連は、公務・公共の役割を発揮して奮闘する公務労働者に報い、疲弊する地域経済を回復するため、生計費原則にもとづく大幅な賃上げを求める。
 さらに、長時間労働を解消し、住民と職員のいのちと健康を守るために、大幅な体制強化、会計年度任用職員の雇用の安定と処遇改善を強く要求する。

 

 堺市職労は今後、職場連名要請書など人事委員会への働きかけを強めるとともに、最賃引き上げに伴う会計年度の報酬額及び常勤職員の給料表改定を要求し、秋季年末闘争での労使交渉などを通じて、すべての職員の生活改善をめざします。