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政府がようやく方向示す 看護・介護・保育等労働者の 抜本的な処遇改善を

11月22日付

岸田政権が目玉政策と位置付ける看護、介護、保育職等の賃上げに向けて立ち上げられた公的価格評価検討委員会が、9日に初会合を開きました。

 

「年末までに一定の方向性」
 首相は「看護、介護、保育、幼稚園などの現場で働く人の収入の引上げは最優先課題。春闘に向けた賃上げの議論に先んじて、前倒しで引き上げる」と述べ、賃金水準が低いとされる介護職、保育職などの収入増をめざして、年末までに一定の方向性を打ち出す姿勢を示しています。
ケア労働者の大幅賃上げが必要
 収入増を打ち出した職種の月給を全産業平均と比較すると、保育士は6万1900円、幼稚園教員は5万6500円、介護職員は6万7900円も低く、「過酷な労働にもかかわらず、低賃金で人が集まらない」と指摘されています。(11月10日付読売新聞)
 その後も、経産相経団連日商に賃上げを働きかけたり、賃上げを実施した企業への減税措置の検討、介護・保育労働者の3%賃上げ、看護師の1%賃上げを政府が検討、などと報道されています。
格差と貧困の拡大にメスを
 一方で日本経済は、コロナ禍以前から、アベノミクスで格差と貧困が広がり、2度にわたる消費税増税で消費不況に陥っていました。 2020年度のGDPもマイナス4・4%と、2年連続のマイナス成長です。
 21年7~9月期のGDPはコロナ感染拡大以前の19年10~12月期の水準を下回っており、日本経済の成長を止めている大本にメスを入れなければ、経済を安定的な成長の軌道に乗せることはできません。
 岸田政権は「新しい資本主義」「新自由主義を転換する」と標榜しています。それならば政府として、コロナ禍で傷ついた中小零細企業・飲食業などの経営を支援する対策や国民の負担を軽減することと合わせ、コロナ禍で明瞭になったケア労働など重要な役割を担う労働者の抜本的な処遇改善を直ちに実行するべきです。
今こそ内部留保の社会的還元を
 これらの施策を本気でやろうとすれば、コロナ禍でも大儲けしている大企業や大資産家・富裕層等に応分の負担を求める必要があります。ちなみに企業の内部留保は9年連続で過去最高を更新、この10年で約1・6倍の484兆円に達しましたが、このうち約半分の242兆円は資本金10億円以上の大企業によるものです。さらに安倍政権が「成長戦略」の一環として2014年度に34・62%だった法人税の実効税率を18年度以降、29・74%まで引き下げました。
 大企業の内部留保を今こそ社会的に還元して、くらしの底上げと大幅賃上げをすすめる経済政策に転換することが求められています。
 見せかけや言葉だけでなく、政府の本気度が問われています。