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当局が「人事評価結果の勤勉手当への反映に関するアンケート」を実施

評価結果の反映・活用には多くの課題(9月24日付)

人事当局は9月17日付けで「人事評価結果の定期昇給・勤勉手当への反映に関するアンケートについて」を通知しました。執行部は人事評価結果の一時金等への反映はすべきでないという立場から、アンケートについても問題点を指摘しています。

 

 堺市ではH25年度から人事評価制度が本格実施され、非管理職においては評価結果が一時金(勤勉手当)に反映されています。
勤勉手当への反映ありきの回答項目
 現行の制度では、人事評価でⅠ・Ⅱの評価をうけた職員について勤勉手当が0.1月増額され、逆にⅣ・Ⅴの評価を受けた職員は0.1月減額されます。
 質問3.では「人事評価の結果により勤勉手当に反映する増減額について、どのように思いますか?」と質問しています。
 執行部は「人事評価結果の勤勉手当への反映に関するアンケートなら、回答項目に『反映すべきでない』を加えるべき」と指摘しています。
 この点について当局は「勤勉手当への反映が法律に規定されているので、『反映すべきでない』という回答はなじまない」として、「そうした意見があれば『その他』を選択してもらいたい」と説明しています。
上位評価をうけても勤勉手当が増額されない
 質問4.では「人事評価の結果により勤勉手当が増額される対象者数について、どのように思いますか?」と質問しています。
 アンケートには参考としてR2年度後期人事評価における、Ⅰ及びⅡ評価者数と増額対象者が記載されていますが、Ⅰ・Ⅱの評価者数807名に対し、増額対象者は470名となっています。
 これは実際に増額されるのは、Ⅰ・Ⅱの評価をうけた職員のうち、局内(アンケートの説明では“庁内”とある)で10%以内とされいるためであり、Ⅰ・Ⅱの評価をうけても局内で10%を超えていれば勤勉手当が増額されない職員が生じます。また、他の局では、自分より評価が低くても増額される職員がいるという逆転現象が起こります。
増額に必要な原資はどうするのか
 また、アンケートでは財源(原資)について一切ふれていません。堺市では人事評価結果による勤勉手当の増額のための原資に、一時金の算定にかかる扶養手当分を充てています。つまり、増額する率や人数を増やすためには、それに充てる原資を確保する必要があります。
 国家公務員の場合、本来の勤勉手当0.95月分のうち、0.03月分を人事評価結果による勤勉手当の増額分の原資としています。堺市でも、勤勉手当を増額するためには、こうした方法で原資を確保する必要があります。
誰もが理解と納得のいく制度となっているか
 内閣人事局はR2年7月から「人事評価の改善に向けた有識者検討会」を開催し、R3年3月に報告書をまとめました。その中には25の府省庁等の人事担当課に行ったアンケート結果が掲載されており、人事評価制度に係る状況と課題のうち、“目標における課題等”として「定型・ルーティン業務等では困難度の高い目標が設定しづらい」「数量化・定量化できない業務により目標設定が困難」などがあげられています。また、評価結果の活用についても、“任用及び給与といった処遇における活用の課題等”として「評価基準の統一が困難、評価者の目線合わせが必要」などがあげられています。
 評価基準の統一という課題は、堺市のこれまでの評価結果からも伺えます。H25年度~R1年度に、Ⅰ・Ⅱの評価をうけた職員は平均8.67%に対し、R2年度は14.13%に大きく上昇しています。
 執行部は人事評価制度について反対の立場ではありませんが、結果の活用について「評価者と被評価者の理解と納得についての検証が得られるまでは、勤勉手当に反映しないこと。また、評価結果の活用範囲を拡大しないこと」を求めています。