堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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人事評価 人材育成 モラール向上になってる?

 後期評価の期末面談が、12日を最終評価締切日として実施されています。さまざまな意見が挙がっています。(2月9日付)

理解得られている?

 「自己評価から1次評価、期末面談、2次・最終評価を行うのに、期間の短い、このタイミングでやるべきことなのか。ムリが生じていないか」「見込み評価でいいなら、評価って一体何でしょう?」「見込みを含めた評価となると、最後のがんばりを評価できなくなる」「評価期間外の職務活動で評価されている。『人事評価の手引き』にない運用ではないか」「ルーチンワークがメインの係から、『間違いなくやって当たり前、何をすれば高評価になるの?』と聞かれている。配属によって担当する仕事はまちまちで、公平に取り扱われているのか疑問」「そもそも自分を客観的に評価できると思えない。控えめな性格か、積極的な性格かで差が出る制度では?」「評価分の仕事しかしません」「組合でこの制度を無くしてほしい。がんばって」

 現在の人事評価制度は、相対評価(下位評価の相対化枠を設定して、下位の評価区分に入る職員が必ず出てくる評価方法)ではなく、絶対評価で行われているのが大きな特徴です。それでもなお、先に紹介したような声が挙がっていることからすると、評価の客観性や公平性、制度の透明性について、評価者、被評価者双方の理解が得られているとは言い難い状況にあると考えられます。

検証が必要では?

 これまでにも、みなさんにご協力いただいたアンケート結果など、職員の率直な意見を当局に伝え、理解が得られているのかなど、制度を導入した当事者として当局に検証を求めてきましたが、十分な検証がなされているとは言えません。

 人事委員会も、勧告・で、任命権者に対し、適正な人事評価制度となるように検証と必要な見直しを行うことを繰り返し求めています。

 制度の目的に照らして、人事評価が本当に効果的な方法なのかなど、分析と検証が求められているのではないでしょうか。

モラール上がってる?

 評価結果を賃金に反映することについて、「誰でもお金がかからないと、真剣にならない」という考え方もあります。

 評価結果を賃金に反映するという点では、脳科学の研究で、お金による成果主義よりも、自分がどう前進してきたかという過程をほめる、努力に対する言葉による評価の方が、お金がかからず、より高い自己目標への意欲を引き出す方法として、確認されています。

 実験では、「頭がいいとほめられたグループ」と「努力したことをほめられたグループ」に、基礎問題と応用問題を出したところ、先のグループは基礎問題を解こう(基礎問題を解いて頭がいいとほめられよう)とし、後のグループは応用問題に挑戦しよう(難しいことに挑戦し努力を認めてもらおう)という傾向が見られたそうです。

科学的な人事行政を

 人事評価結果の勤勉手当への反映は、平成24年6月に「堺市職員及び組織の活性化に関する条例」が制定され、これが施行された、25年4月以降実施されるようになり、今年度からは、副主査選考にあたっても活用されることになりました。

 また、安倍政権のもと、26年に地方公務員法が「改正」され、人事評価を「任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用する」ことが規定され、28年4月1日からの施行が予定されています。

 条例の内容や成立過程をみると、信賞必罰で勤勉手当にメリハリをつけることが、職員のモラール(やる気)向上と市民にとっての透明性の高い人事制度に資すると考えられていると思われます。

 法律や条例の制定状況は先にみたとおりですが、たとえ高評価を受けたとしても、生計費である賃金の一部を、裁量や不明確な要素を含んだ評価に委ねて、果たして職員のモラールの向上や組織の活性化につながっているのか、職場状況からすると、人事当局には科学的で大きな視点にたった検証が求められているように考えます。

 こうした立場で、春闘交渉で具体的にやりとりしていきます。