12月13日付
政府が成立をねらい、参議院で審議されている「年金カット」法案は、私たち国民のくらしにも地域経済にも大打撃となることが明らかになっています。
年金は高齢者世帯の年収の7割を占め、それだけで暮らす世帯は6割近くに及び高齢者の生活を支える重要な収入となっています。
また県民所得比では島根、鳥取、高知、秋田、愛媛など10県で、年金が県民所得の15%以上を占めています。
これは、公的年金が世代間の所得再分配だけではなく、地域的な所得再分配の機能も果たしているといえます。
年金カットを強行すれば、高齢者の個人消費が落ち、内需不振による景気低迷、賃金低落を招く悪循環になることは明らかです。
厚労省も地域経済を支える役割があると認めており、物価が上がれば年金も上げる「物価スライドで購買力を維持する」(15年2月)と答弁していました。しかし、年金カット法案は、物価が上がっても賃金が下がれば年金も引き下げられることになります。これでは購買力を維持することはできず、安倍内閣が掲げる「地方創生」にも反しています。
参議院の参考人質疑でも、「(マクロ経済スライドが)延々と続くと購買力がどんどん低下する。基礎年金を痛めてしまう」と指摘されています。
国民には年金カットを押し付ける一方、巨額損失を出す株価対策に積立金を活用するなど道理のない法案は廃案にするべきです。