安全安心の社会づくりに「社会保障の拡充こそ必要」の声を広げよう(1月27日付)
安倍政権が昨年末に改定した経済財政諮問会議の改革工程表では、社会保障分野について「歳出全般の聖域なき徹底した見直し」を掲げ、医療・介護・年金・生活保護の検討項目を並べています。
社会保障費大幅削減
安倍政権は、この間、社会保障費の大幅な削減を進めてきました。
17年度予算案では、毎年1兆円程度ある自然増分を単年度で5000億円削減し、3年間で1・5兆円程度に抑える方針のもと、6400億円に抑えた概算要求額からさらに1400億円を削減。
このもとで、医療・介護の自己負担月額上限引上げ、後期高齢者医療保険料値上げ、年金の3年ぶりのマイナス改定など高齢者を狙い撃ちした改悪が相次いでいます。
次年度以降も下表に掲げる検討項目が目白押しです。
医療では、医療費削減に向けて提供体制の見直しを推進。
① 16年度から導入したばかりの紹介状なし受診の追加負担について、対象病院(現在500床以上)の拡大を盛り込みました。
② また、今年度見直しで見送られた「かかりつけ医」以外を受診する際の追加負担導入は、改めて2017年度末までに結論を出すと明記しました。
③ 高齢者には18年度から保険料の特例軽減を縮小・廃止するのに続いて、75歳以上の窓口負担を1割から2割へ引き上げることを18年度末までに結論を出すとしています。
④ 保険給付の抑制に向け、湿布薬など「市販品類似薬」の負担引上げを18年度末までに検討・措置するとしています。
⑤ 介護では、18年度介護報酬改定で、生活援助や通所介護について報酬引下げによるサービス抑制を掲げました。
⑥ 要介護1・2の生活援助や通所介護を保険給付から外して地域支援事業へ移行させることについて、17年度の改定で批判が相次ぎ、見送りとなったにも関わらず、19年度末までに検討・措置を明記。
⑦ 年金については、昨年の年金カット法の強行成立に続き、受給開始年齢の66~70歳への引上げや、高所得者の基礎年金支給停止検討を明記。
⑧ 生活保護では、17年度に行う制度検証に合わせ、生活扶助や医療扶助の見直しの検討を提起しました。
安倍政権は社会保障費の削減をすすめる一方で、大企業優遇税制による税収の空洞化や防衛予算の大幅増も推進しています。
介護や子育てをめぐる制度の充実、安心してかかれる医療など、社会保障の拡充こそが必要です。堺市職労もこの立場で国民春闘の取組みをすすめます。