6月3日付
コロナ危機に続き物価高騰が国民と中小企業を直撃。国民の苦境を救うにはどんな経済対策が必要なのか?参院選の重要な争点です。
岸田内閣が4月26日に決定した「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」は、規模も中身も不十分なうえ、財政民主主義に反して、政府の判断で使える予備費を乱用するものです。6・2兆円という規模も、うち1・5兆円は予備費の積み増しなので実際は4・7兆円。しかも2兆円は22年度予算に計上しているので、新たに措置したのは2・7兆円です。中身も、中心は石油元売り業者を対象とした補助金の延長・拡充。生活支援では、低所得の子育て世帯への児童1人5万円の特別給付金が新たに盛り込まれた以外は、ほぼこれまでのコロナ対策の支援措置の延長です。
3月の消費者物価の前年比上昇率は、生鮮食品11・6%、電気代21・6%、都市ガス代25・3%、ガソリン19・4%など、食品やエネルギーの値上がりが激しく、低所得者ほど打撃が大きくなっています。
消費税減税はすべての人に恩恵があり、最も効果的な経済対策だが、政府は検討しようともしません。
賃金引上げも欠かせません。政府は企業に賃上げを求めるが、非正規労働賃金の底上げには消極的です。即座に一律時給1000円、早期に1500円を、中小企業支援とともに実現すべきです。
原油や穀物の価格はコロナ規制後の経済再開、世界的な需要増で2021年から上昇していたが、ロシアのウクライナ侵略が追い打ちをかけました。さらに日銀が大規模な金融緩和政策を続けると表明したため日米の金利差の拡大が続くとの見方から円安が進み、輸入物価が上昇。それでも日銀は「2%の物価安定の目標」に向け金融緩和に固執しています。
アベノミクスの異次元金融緩和を始めて9年、円安、株高で富裕層や大企業は利益を得たが。景気は回復せず賃金も上らず、物価は上昇しました。
7月10日の参議院選挙は国民の生活を守る政治を前進させる絶好のチャンスです。