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「最低賃金改定」今年の審議開始へ 先進国は1500円以上 生活底上げ・国内経済へのプラス効果も

6月19日付

 地域別最低賃金の今年度の改定審議が始まります。物価高で苦しむ人々の生活の底上げに、最賃は最も有効な政策。国内経済へのプラスの効果もあります。政府は今年の改定で、全国加重平均千円への到達を掲げました。しかし、先進国水準は遠い先です。

 

物価高騰で「赤字」世帯増

 公益財団法人連合総合生活開発研究所が今年4月、都市部の民間企業に勤める人に行った調査によると、過去1年間の世帯収支が「赤字」と答えた割合は、年収4百万円未満では39・2%と、前年調査より4・4%増加。家計を支える非正社員は男女ともに4割が赤字と答えています。

 赤字の最大の要因は、昨年から続く物価高騰。2022年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年度比3・0%の上昇。今年1月から低下傾向でしたが、4月に再び上昇に転じました。特に食料品値上がりが深刻です。

 4月の実質賃金は前年度比3・0%の減少で、12カ月連続のマイナス。働く人の暮らし改善に向け、最賃が注目されています。

 

日本経済活性化に効果あり

 最賃を時給1500円に引き上げた際の経済効果について、木地孝之元慶応大学助教授の試算が話題を呼んでいます。各国が国内総生産(GDP)の算出で用いる「産業連関表」を使って分析しました。
 それによると、1500円への引き上げに必要な原資は、公務・民間を合わせて16・1兆円。連動して生じる需要増や生産拡大により、GDPは2%近く増加し、106万人分の新たな雇用が創出されると推定します。特に最賃が低い県ほど高い経済効果が生まれると強調しています。
 最賃大幅引き上げの恩恵は、非正規労働者だけではありません。正社員・正職員の賃金も上昇します。月所定労働時間を160時間とすれば、下限の月額賃金は24万円。ほとんどの職場で大幅ベアが不可避となります。

 

若者が海外に「出稼ぎ」に

 いくら何でも非現実的では?││。そんな声が聞こえてきそうです。しかし、独は時給12ユーロ(1674円)、英国10・42ポンド(1728円)、オーストラリア22・61豪ドル(2102円、7月~)の水準。米国は連邦最賃こそ低いままですが、ワシントン州カリフォルニア州等で15ドル(1986円)を超え、28州で10ドルを上回ります。
 一方、日本の最賃は全国加重平均が961円で最低額は10県853円という低さ。最近、海外に「出稼ぎ」に行く日本の若者の姿をNHKが特集しました。
 政府は今年度の改定で地域別最賃の全国加重平均を千円にすると強調していますが、全然足りません。
 木地さんは語ります。「日本企業は国内の低賃金を元に海外でのシェア拡大と投資を行ってきた。その結果、日本経済は20年間成長していない。海外の水準に賃金を引き上げることが必要で、最賃は最も有効な政策。そのためにも、異常に多い内部留保の社会への還元と、中小企業の労務費上昇分の価格転嫁を可能にする法整備が必要だ」。