堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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秋季年末闘争のポイント②

高齢層職員昇給・昇格

制度の国準拠は不合理(10月19日付)

9月30日、堺市人事委員会(市人委)が行った本年度の給与勧告・報告(市人勧)の中で高齢層職員の昇給・昇格について、「国家公務員と比較し、国と同様の措置を講じることが必要」と述べています。

給与抑制を促す

市人勧では「国においては、平成24年人事院勧告に基づき、50歳台後半層における給与水準の上昇抑制のため、55歳を超える職員は標準の勤務成績では昇給停止(堺市では標準55歳以下で4号、同55歳超2号昇給)とする昇給抑制措置が講じられるとともに、俸給表の高位の号俸から昇格した場合の俸給月額の増加額が縮減されている」「本市においては(中略)行政職給料表で見ると50歳台後半層の職員が多く在職する高位の号給の給料水準は国家公務員と比較し、相対的に高いものとなっている」「均衡の原則に基づき、本市においても国と同様の措置を講ずることが必要である」等と報告され、高齢層の給与上昇の抑制を促しています。

人勧準拠に根拠なし

その根拠となる平成24年度人勧では「地方機関では、50歳台において上位の職務の級への昇格が多いという人事運用があり、このことが特に後半層における給与水準の上昇の要因」とあります。しかし本年の人勧・市人勧の資料によると行政職(一)表適用の職員における6級(課長級)以上の在級割合は国16・2%に対し、堺市11・9%と管理職に昇任する職員の比率は大きく異なっています。市人勧の報告は地方機関を持つ国家公務員の、しかも堺市にない人事運用を根拠にしたものであり、到底認められるものではありません。

総合見直しも配慮を

しかも本市においては本年4月から「給与総合見直し」の影響で特に高齢層では最大3%の給与カットが行われています。3年間の現給保障措置があるものの、現時点の見通しでも3年後に格付けされている額が現給を下回る職員がいる状況で、市人勧の報告に基づいた改定を行えば減額者が大勢発生することは避けられません。それどころか昇格しても給与が上がらないことも想定され、職員の働きがいや公平性についても疑問が生じます。

市人委は扶養手当についても「国準拠」を根拠に改定を勧告しました。しかし他政令指定市を見ても改定にまで言及した市人委は少数であり、「国準拠」を根拠に制度変更に踏み込むことは慎重に行うべきと思われますし、とりわけ高齢層の給与制度については不合理です。当該市の状況を鑑み、労使間で十分な議論を積み重ねた経過を尊重すべきです。