堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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堺市人事委員会勧告をどう見るか

国、他市と対応が分かれる(10月11日付)

10月4日、堺市人事委員会は、職員の勤務労働条件について勧告・報告を行いました。その内容について堺市がおかれている状況や国の人事院勧告、他の政令指定都市の勧告も踏まえ、考察します。

市人事委員会勧告の内容は「月例給について職員給与が民間を234円下回っているが較差が小さく改定なし」「特別給は0・05月引上げ」というものでした。

 特別給は国・他都市もほぼ一律の内容でしたが、月例給では差異が出ました。国人勧は較差387円とやはり小規模ながら「高卒初任給2000円、大卒初任給1500円引上げを軸に若年層の引上げ」。関西の3政令市では京都市が較差がマイナスで改定なしだったものの、神戸市は240円と較差はほぼ堺市と同じながら「国や他市の傾向を考慮の上改定」。大阪市は1339円の較差で「初任給国並み、大部分が一律1000円を軸に引上げ」となり、とりわけ初任給付近の取扱いが分かれました。

 昨今は人手不足が叫ばれることが多く、人材確保に向けて公民問わず初任給引上げの傾向が強くなっている中、公民較差がありながらそれを引き上げないことは、求職者が他市や民間企業に比べて堺市の優先度を下げる恐れがあります。少なくとも国並みの引上げは勧告されるべきです。

会計年度、重要性を

認識も不十分な内容 来年度からの会計年度任用職員制度についても行政職給料表に準拠した賃金になる一方で、国・他都市と同様の引上げが行われないことは生活に大きく影響します。とりわけ大阪府最低賃金とほぼ同水準の事務補助については最賃が今秋約3%引上げに対して堺市が改定なしでは人員確保も不安視されます。市人委報告文に「市政の円滑な業務遂行においても重要な役割を担っており」と記載されながら、整合性のとれない内容となっています。

 また、特別給(一時金)については引上げ対象を勤勉手当とし、再任用職員は改定なしとなるなど、対象職員が限定されてしまいました。

人事評価制度

 人事評価制度については今年度から管理職の昇給への活用が試行的に実施されることになりましたが、様々な意見がある同制度において、評価者・被評価者双方が納得性の高いものに改善されるべきです。人事委員会は「必要な見直し」を求めていますが、職員の負担や不満を高める制度にならないよう、注視していく必要があります。

高齢期の職員雇用

 人事院が本年の勧告で「定年引上げを早期に実施するための措置」を要請したものの、本市においては「国の検討状況を注視し、課題等を議論」とやや低いトーンとなっています。少子高齢化に対応した労働環境について早期に活発な議論が求められます。

ワークライフバランス働き方改革プランの達成や時間外の上限規制のあまり、持ち帰りやサービス残業があってはならない」と記載されています。昨年度の時間外は減少傾向にあるものの、労使が力を合わせて取り組むべき内容です。