京都自治労連が抗議の声明(2月5日付)
1月29日、関西電力は高浜原発3号機の原子炉を起動し、再稼働させるとともに、31日には同4号機にも核燃料を装填し2月下旬に再稼働するための準備をすすめています。関西電力の再稼働強行に対し京都自治労連は1月29日に抗議の声明を発表しました。声明は以下のとおりです。
関西電力は、本日1月29日(夕方)、高浜原発3号機の原子炉を起動し、再稼働させるとともに、31日には同4号機にも核燃料を装填し2月下旬に再稼働するための準備をすすめている。
新規制基準施行後、九州電力川内原発1・2号機に次いで3基目の再稼働で、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用する危険なプルサーマル発電では初めてとなる。
私たちは、福島の原発事故の教訓も多数の国民の声も無視した再稼働強行の暴挙に、満身の怒りを込めて抗議する。
高浜原発の再稼働をめぐっては、昨年12月にいっきに動きが強まり、住民の不安や反対がある中で、高浜町、福井県が再稼働に同意、内閣府・福井県・京都府が参加する「原子力防災地域協議会」が広域避難計画を強引に了承し国の防災会議も追認。12月24日には、福井地裁が、「新規制基準は合理的」として高浜原発3、4号機の運転差し止めの仮処分決定を取り消すなど司法も追随し、関西電力の高浜原発再稼働計画にあわせるように、安倍政権主導で強引に再稼働に向けた条件整備がすすめられてきた。
「新規制基準自体が安全を保証するものでない」ことは原子力規制委員長自身が繰り返し認めていることであり、また、防災会議で「具体的で合理的」とされた広域避難計画についても、要援護者の避難手段さえ決まっていない、広域避難先の受入れ計画についても全体の1割しか策定されていないなどずさんで実効性に乏しいものである。
福島の現状を見ても、政府も規制委員会も電力会社も責任を取らず、原発事故から5年が経過するにもかかわらず、11万人を超える避難者、2000人にも及ぶ原発関連死、子どもの甲状腺がんや健康被害のひろがりなど、ひとたび原発事故が起これば取り返しのつかない被害が広範囲かつ長期間にわたってもたらされ、人格権が侵害されることは明らかである。
原子力防災計画で避難対象となる30km圏内の人口だけに限ってみても、福井県の5万4403人に対して、京都府では舞鶴市をはじめとして12万5085人であり、京都府民が最大の被害を受ける可能性が高い。また、関西1450万人の水瓶である琵琶湖が放射能に汚染されれば、市営水道の100%の水源を琵琶湖に頼る人口約150万人の京都市を始め、多くの自治体が人の住めないまちになる恐れがある。
私たちは、住民の命と安全、暮らしを守る責務を担う自治体労働組合として、高浜原発再稼働強行の暴挙に抗議するとともに、京都府知事をはじめ府内すべての自治体首長に対し、住民の命を守るために、今こそ原発再稼働反対の立場を表明することを強く求めるものである。