女性と子どもの貧困 安倍政権で深刻化
(1月25日付)
アベノミクスでより深刻化しているのが、貧困と格差の拡大。日本の相対的貧困率は、全世帯で16・1%、子どもあり世帯で16・3%(2012年)と、6人に1人が貧困ラインを下回る社会です。貧困は『特別な人の問題』ではなくなってきています。
「子どもの貧困」問題が注目されています。
女性と子どもの貧困は深刻
「一人親家庭」の子どもの貧困率は54・6%(12年)と経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国で最悪。日本は世界有数の『貧困大国』です。
貧困世帯と一般家庭の子どもでは大学進学率にも大きな差があります。全世帯の進学率が73・0%に対し、生活保護世帯の子どもは31・7%、児童養護施設の子どもは22・6%。政府も「自助努力で解決できない問題」(馳文科相1月18日)と認めています。
また、全日本民医連の調査をもとに佛教大学の武内一教授がまとめた結果では、貧困世帯では、入院4回以上が非貧困世帯の1・7倍、経済的理由で「受診を控えている」が4・4倍など、『貧困が健康にも悪影響』を与えています。
不十分すぎる安倍内閣の貧困対策
安倍首相も「貧困の連鎖を断ち切ることが重要だ」と強調します。
しかし、2016年度予算案では、①児童扶養手当につき一人親世帯の第2子(月5千円)、第3子(月3千円)増額の一方、受給世帯のうち6割が子ども1人にも関わらず、第1子引上げは見送り。
そのうえ、②8%への消費税増税時に導入した臨時給付金は、子育て世帯対象分(1人1万円、今年度3千円)を廃止、③低所得者世帯対象分(1人1万円、今年度6千円)は半減としています。
この結果、子ども1人の母子世帯には、昨年度2万円あった給付金が来年度は6千円になる一方、消費税10%で1万4千円~6千円の負担増がのしかかります(年収200万円以下の場合)。
安倍内閣は「子どもの貧困対策大綱」(14年8月)に基づき、貧困問題に取り組むNPO等を支援する「子供の未来応援基金」を設置。しかし資金は民間募金頼みで、昨年12月時点で目標額の1割も集まっていません。
子どもの貧困対策と言いながら、加速・深刻化させているのが安倍政権です。
大企業への減税や防衛費(軍事費)を見直して財源を生み出しつつ、貧困の連鎖を断ち切るため、抜本的な貧困・子育て支援が必要です。あわせて今春闘で「すべての労働者の賃上げ」のための最低賃金の大幅な引上げが必要です。