組合:大綱合意を踏まえた運用を
当局:合意の精神や理念は変えない
(9月10日・11日付)
9月8日、土生人事部長、佐小教育委員会総務部長出席のもと、非常勤職員任用更新時評価に関する団体交渉を開催しました。
更新時評価の経過
2014年1月、当局は、副主査制度など10項目にわたる人事給与制度全般の見直しの1項目として、「非常勤職員の任用更新時評価制度の導入」を提案。
約1年に及ぶ交渉で、組合は、この提案は1999年11月9日の「勤務実績が良好な者について、引き続き更新」とした大綱合意を実質的に変更する提案であると厳しく追及。当局は「当時の確認事項である『勤務実績が良好な者』を更新することは変わらない。ただ、更新時の客観的資料として評価書を導入したい」と言明し、最終的に「非常勤職員の任用更新時における評価制度については、平成28年度の任用から実施するべく、引き続き協議する」(15年1月28日)と回答を受けました。
その後夏季交渉で、制度の概要説明を受け、協議を重ねてきました。
主なやり取り
○大綱合意の認識
当局:当時、長い時間をかけてやり取りした結果が大綱合意であり、労使ともに守ってきた。大綱合意の精神や理念について変えるつもりはない。
○大綱合意と勤務評価
当:大綱合意の「勤務実績が良好な者」は任用更新してきたが、更新にあたり、公平公正、客観的な能力実証が求められており、統一した手続、様式による勤務評価を行いたい。
○勤務評価書
組合:協議の結果示された勤務評価書の概要を示していただきたい。
当:当初提案の勤務評価書は、すでに運用している非常勤高年齢者雇用制度で使用されているものを基としていた。協議の中で、「評価要素」や「主な着眼点」が、一般非常勤職員の任用更新にあたり、普段の仕事ぶりを適切に反映しているか、と指摘を受け、改めて精査したものである。
当:なお、高年齢者雇用の更新時評価では、勤務実績が良好な方は更新されており、更新不可とした事例は、これまではない。
組:評価の観点は、絶対評価か。
当:更新時評価は、1人ひとりに行うものであり、相対評価にはなじまないと考えている。
組:所属長は、これまでも、専門職である非常勤職員の業務や実態をよく把握いただいているが、これまで以上に、評価期間中、しっかりと業務把握をお願いしたい。
○評価者について
組:協議の結果示された評価者についてお示しいただきたい。
当:当初提案では、評価にあたって日頃の勤務状況を最も良く把握している身近な係長を一次評価者、所属長を二次評価者としていた。一方、組合から任用に関わる重い判断に、本来の責任者である所属長だけでなく、係長を関わらせるべきでないと主張があった。意見として受け止め、所属長が日頃の勤務状況をつかみつつ、係長などから聞き取って、自ら評価するという取扱い(評価者は所属長、最終確認者が所管部長)としたい。
○今後のスケジュール
当:今年度の評価期間は、10月(次年度以降は4月)から3月末までの間としたい。ただし、評価は、12月下旬に勤務評価書を配付し、1月上旬に提出を受け、1月いっぱいでチェックし、確認する項目や内容に疑義がある等、必要があれば任用審査委員会を開催したい。1月末に任用可否の結果を本人通知し、新年度までに任用手続を行いたい。
○勤務評価の本人開示
当:勤務評価書は、本人から請求があれば、開示。しかし「更新の適否の理由」欄は、評価者の評価に影響を与える恐れがあり、「非公開」としたい。
組:大綱合意を守る立場で制度運用されると認識しているが、万が一、不可とされた場合に、本人がその理由が分からない、ブラックボックスではいけない。
当:仮に、更新不可となれば、本人通知の書面には、「任用しない理由」を書く予定。
最後に佐野副委員長が、「非常勤の更新時評価制度については、あくまでも大綱合意を守るという精神を貫いていただくことが、我々が交渉のテーブルについている前提だ。労働者にとって雇用は命。任用不可は、万が一にもあってはならない」「評価制度を持ち込むことで、当事者が萎縮して意見が言えなくなれば、市民サービスの低下を招く。そうした事態を招かないように、所属にくれぐれもその点の周知をお願いしたい」と指摘し、交渉を終えました。
【補足】
○勤務評価書等通知
任用更新時評価の実施要領(任用更新の流れや事務手順、評価者の守るべき事項、評価要素や評価基準等を記載)や勤務評価書は、通知が行われたうえで、庁内ホームページ等で公開される予定です。