堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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大阪高裁が不当判決

大阪市組合事務所裁判

大阪市役所労働組合が抗議声明

(6月30日付)

 大阪高裁は26日、組合事務所裁判で、一審判決を変更し、橋下大阪市長団結権侵害の意図はなかったとした上で、13・14年度不許可処分を適法とする不当判決を下しました。これに対し、大阪市役所労働組合は、次の抗議声明を出しました。

1.本日、大阪高等裁判所第1民事部(志田博文裁判長)は、橋下市長が、大阪市役所労働組合大阪市労組)及び大阪市労働組合総連合(大阪市労組連。以下「市労組ら」という)が市庁舎地下1階において2006年以降継続的に使用してきた組合事務所について、12年度以降その使用を不許可とし、市労組らに同事務所の明け渡しを求めた事件で、昨年9月10日に言い渡され全面的に市労組らが勝訴した一審・大阪地裁判決(14年度の不許可処分を取り消して、使用許可処分を義務づけるとともに、国家賠償請求を認容)を変更し、12年度の不許可処分のみの違法に限定して認定して、13年度及び14年度の各不許可処分については適法であるとし、市労組らに対する同事務所の明け渡しや賃料相当損害金の支払を命じる不当判決を言い渡した。

2.判決は、労使関係条例が施行される以前の12年度不許可処分については、橋下市長が市労組らを嫌悪し、支配介入する意思(団結権侵害の意思)を有しているとまでは認められないとしつつ、突然に組合事務所の使用を不許可とする方針を表明したことや、詳細な説明がなされていないなど、市労組らに対する配慮を欠き、性急であったことから、著しく合理性・妥当性を欠くものであるとして、違法であると認めた。他方で、13年度及び14年度の各不許可処分については、労使関係条例12条は無効とはいえず、支配介入の意思(団結権侵害の意思)は認められず、行政事務スペースの必要もあったとして、裁量権の逸脱・濫用はないと判断した。しかし、13年度及び14年度の各不許可処分とも、橋下市長の一貫した団結権侵害の意思に基づくものであることは明らかであり、これを認めなかったのは、著しい事実及び判断の誤認であり、また憲法や法律・条例の解釈を誤ったものである。

 とりわけ、判決が、2012年8月1日に施行された労使関係条例12条(労働組合等に対する便宜供与の禁止)について、憲法28条・地方公務員法労働組合法等に反するものとはいえないとした点については、同条例の制定過程や制定理由、内容からして、その違憲性・違法性を明らかに看過したものである。結局のところ、判決は、行政裁量を不当に重視して、大阪市・橋下市長の専横を許し、他方で、団結権を著しく軽視するものであって、不当きわまりない。

 そして、判決は、大阪市による明け渡し請求が権利濫用とはいえないとして、その請求を認容した。しかし、組合活動の拠点である組合事務所について、目的外使用許可処分を繰り返して、継続的な使用を認めておきながら、合理的な理由もなく、一方的にこれを剥奪することは、団結権侵害といわざるを得ない。判決が、権利濫用とはいえないとしたことは、労働組合の活動を弱体化させる橋下市長のねらいを後押しするものであり、12年度の使用不許可処分の違法を認定したことをもってしても、不当な判決といわざるをえない。

 組合事務所の使用不許可をめぐっては、大阪府労働委員会が昨年2月20日に、不当労働行為を認め、大阪市に対し、同様の行為をしない旨の誓約文の手交を命じているところでもあり、判決が不当労働行為を認めなかったことは、労働組合団結権や組合事務所の重要性に対する無理解も甚だしい。

3.私たちは、本判決を不服として、ただちに最高裁に上告提起・上告受理申立てを行い、上告審では、必ずや、本判決の不当な判断を是正させ、橋下市長による全ての団結権侵害を断罪し組合事務所の継続使用を認める判断を獲得する決意をここに表明する。

以上