堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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違法派遣の合法化 緊迫

日弁連集会で労働者が訴え

(6月16日付)

 日本弁護士連合会は6月4日(木)、労働法制の規制緩和に反対する集会を開きました。

 房安強貧困問題対策本部委員は国会で審議中の派遣法案について、「雇用主の責任が果たされない間接労働により、立場の弱い労働者を増やす法『改正』であり、強く反対する」と述べました。

 集会では、違法な派遣切りに対し裁判に立ち上がった当事者らが発言しました。

 派遣会社アデコから日産自動車に派遣されていた女性は、専門業務を偽装する違法派遣を強いられていました。雇い止めを通知された後、労働局が日産、アデコ双方に「直接雇用を含む雇用の安定」を是正指導したものの、会社側はそれを無視して契約を更新しませんでした。女性は「私の権利は無視できるほど安いものではない」と述べ、労働者に無権利状態を強いる派遣労働を批判しました。

 日本赤十字社で専門業務偽装の違法派遣で働かされていた廣瀬明美さんは、派遣法「改正」について「これまで現場で行われてきた違法派遣を是正する方向ではなく、逆に『違法派遣に(法律を)あわせる』ものだ」と批判しました。

派遣法改悪案に41都道府県の弁護士会が反対声明

 日本弁護士連合会によると、派遣法「改正」案に反対する会長声明を発表している弁護士会は、6月2日現在で41都道府県。全弁護士会の5分の4以上に達しています。日弁連は、日本で活動する全ての弁護士が必ず加入しなければいけない組織であり、経営側の弁護士も在籍しています。

雇い止めの恐れ知らされず法案に怒りと不安相次ぐ

 日本労働弁護団が6月2日に行った派遣労働緊急ホットラインには、深刻な相談(左図)が多数寄せられ、「改正」案の問題点が、当事者にほとんど知らされていないこともはっきりしました。

誰のための派遣法「改正」か

 今回の改正案が可決されれば、「一握りの正社員と大多数の派遣社員」「企業にとっては、派遣労働者をいつまでも使い続けられ、要らなくなればいつでも首を切れる」社会となりかねません。

 国会では、法案の根本的な問題点が明らかになり反対の声が急速に広がる中、今週にも衆院厚生労働委員会での強行採決の動きがあり、緊迫した情勢です。

 働く者は商品ではありません。労働者みんなが自らの誇りをかけて、一緒に法案成立を阻止しましょう。