堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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月例給4565円(1.15%)引上げ改定勧告

不十分ながら一定の改善

当局に職員全体の底上げを迫ろう

(9月30日付)

 堺市人事委員会は9月29日、市長と市議会議長に対して、勧告を行いました。

勧告の概要

①月例給について、職員給与が民間給与を4,565円(1・15%)下回っており、較差解消のため引上げ改定、②期末勤勉手当(ボーナス)は、職員の年間支給月数(3・95月分)が民間の支給割合(4・12月分)を下回っており、0・15月分引上げ改定(勤勉手当に配分)、③その他手当について、一部の交通用具使用者の通勤手当改定など。

 実施時期は、月例給及び通勤手当が今年度4月にさかのぼって改定、期末勤勉手当は平成26年12月からとしています。

 なお、今年8月7日の人事院勧告では、「地域間配分の見直し」「世代間配分の見直し」を柱とする「給与制度の総合的見直し」が勧告されましたが、「他都市の動向や、国の検討会での検討状況等も注視しつつ、昇給・昇格制度の在り方等を含め、給与制度の総合的見直しへの対応について、早期に検討を進めていく必要がある」とし、実施時期には言及しませんでした。

 また、人事委員会が「より幅広い民間の給与実態を把握するため」として実施した、賃金構造基本調査に基づく民間給与調査、正社員30人以上50人未満の事業所を対象に行った民間事業所の給与等に関する特別アンケート調査については、「本調査に基づき、精緻に分析したり、同種・同等の者同士の給与を比較するという観点から公民比較を行うには支障があり、これを直ちに活用することは困難」としています。

不十分ながら一定改善

 今年の勧告では、月例給・一時金とも引上げとなりました。これは、給与構造改革に伴う経過措置額(現給保障)の廃止により月額最高1万円もの賃下げが実施中であることや、民間賃金の引上げによるものと考えられます。

 しかし、消費税増税等により物価上昇率が前年同月比で3%以上が続く状況のもと、1・15%の引上げ率は、生計費から考慮すると実質マイナスとなります。 さらに、現在平均3・1%の道理のない賃金カットが実施されていますが、勧告では、公民比較対象をカット前の職員給与としており、カット後と比較すれば、15,576円(4・02%)もの公民較差が生じています。消費税増税にあえぐ堺の地域経済からみても不十分な内容であり、改めて賃金カットの早期終了が必要だと言えます。

 また、給与制度の総合的見直しについて、国家公務員の50歳以上職員の役職者比率など、堺市における状況とは全く状況が異なるため、私たちは人事院追従の勧告を行わないよう求めてきましたが、今後の検討を求める内容となっています。現在、堺市当局から、給与構造改革に伴う諸課題解決の内容を含む提案を受け、労使で交渉を重ねている状況にも関わらず、検討に踏み込むことは問題です。

当局に改善を迫ろう

 人事院が7年ぶりに月例給及び一時金の引上げ勧告を行ったもと、私たちは非正規職員も含め堺市及び関連職場で働く職員全体の底上げにつながる勧告を求めて人事委員会あて職場連名要請書に取り組み、2090筆を積み上げて多くの組合員・職員の切実な実態を届けてきました。

 今回の勧告は、公務の「公平性、中立性、安定性」を確保し、住民の安全・安心をはじめとする公務サービスの向上、地域経済の活性化を図ることを求めた私たちの要求からすれば不十分とはいえ、一定の改善につながるものです。

 堺市職労は、人事委員会が労働基本権制約の代償措置としての役割を果たすことを求めるとともに、堺市当局に対しても堺市に働くすべての職員の生活改善、住民の命と暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。

2014年9月29日 堺市職員労働組合